武蔵野市の小中学校でもオンライン授業導入に前向きに取り組むべき


 現在、2022年2月8日までに東京都の感染者数が14日連続で1万人を超えるなど、コロナの感染者数が東京都では、ワクチン接種が行われていない子どもたちの感染拡大が強まっています。

 この状況に、私が所属する自由民主・市民クラブは、2022年2月9日、市長と教育長に対して、「オンライン授業を学校長が選択できるような環境整備と支援体制構築」などについて要望する要望書を提出しています。

 また、オンライン授業の動向等について確認したことについても以下の通り、お知らせいたします。

1.現状の武蔵野市の対応

 武蔵野市は、対面を大切にする方針としています。そのような中、オンラインを活用した学習支援はしていますが、オンライン授業をしていません。

 そして、現在のコロナ感染対策として登校を控えた場合、その取扱いは、「出席」でもなく、「欠席」でもなく、「出席停止」という取り扱いになります。

 「出席停止」とは、忌引きと同様の扱いで、「出席しなければならない日数」には含みません。ただし、授業日数が200日あったとしても、10日間登校しない場合は、本来出席しなければならない日数は200日ですが、これが190日として記録されます。

2.他の自治体の状況

 他の自治体で、オンライン授業を導入しているとする自治体について、ヒアリングしました。ヒアリングしたのは、寝屋川市、西東京市、千代田区、世田谷区です。

 これらの自治体でも、必ずしも「出席」するのではなく、オンライン授業を導入しても現在の武蔵野市にあるように「出席停止」にする自治体もあることが分かりました。

3.「出席」とする自治体~寝屋川市

 「出席」とするのは、寝屋川市でした。寝屋川市は、以下の文部科学省の通知に従って、「出席」扱いにするということでした。

 〇「不登校児童生徒が自宅において IT 等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について」(部科学省初等中等教育局長の通知)

 この通知では、「一定の要件を満たした上で,自宅において教育委員会,学校,学校外の公的機関又は民間事業者が提供するI T等を活用した学習活動を行った場合,校長は,指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができることとする。」とあります。

 これの通知の要件の1つには、「IT等を活用した学習活動を出席扱いとするのは,基本的に当該不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること。」という記載があります。

 福岡市でも出席扱いしているという以下の記事が確認されています。しかし、ここでも「文部科学省は、民間のフリースクールや情報通信技術(ICT)を活用して学ぶ不登校や病気療養中の長期欠席児童生徒については、校長の判断で指導要領上の出席扱いにできると通知している。市教委は、感染への心理的不安を理由にオンライン授業を受けた子が、この通知内容に該当すると解釈した。」と書かれています。

 〇オンライン授業も「出席」に 福岡市教委が通知|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

 つまり、「出席」扱いする場合には、上述した通知に従って対応することになると考えられます。基本的には、「不登校」ということから「出席」扱いにすると理解しています。

 なお、西東京市に確認したところ、全市的にやっており、「出席」扱いとする方針ということでした。

4.出席停止の扱い~世田谷区、千代田区

 世田谷区や千代田区では、オンライン授業をしているが、「出席停止」としているということです。

5.オンラインを活用した特例の授業~さいたま市の例

 ヒアリングをしたわけではありませんが、さいたま市では、オンラインを活用した特例の授業の実施状況等について、以下の資料の通り、報告しています。参考になりますので、是非ご覧ください。

 〇さいたま市におけるオンラインを活⽤した特例の授業の実施状況等について

 この資料では、オンライン授業導入に当たり、例えば、次のような施策をさいたま市は実施しています。
  ・4名のプロフェッショナル人材を任用
  ・さいたま市GIGAスクール構想
  ・ハイブリッド授業の実施(登校希望も登校控えることを希望することに対応)
  ・オンライン授業の出欠席について、文部科学省との繰り返しの議論

 そして、出欠席扱いについては、「出席」とはならないのですが、以下にある「オンライン特例授業出席日数」という項目にて、記載していくということが確認されました。

 寝屋川市のように、「不登校」とすることなく、「出席」扱いしない理由については確認できていませんが、さいたま市がオンライン授業を前向きに活用しようとしていることは充分理解できます。

6.武蔵野市の小中学校でもオンライン授業の導入に取り組むべき

 児童や生徒が対面授業をすることで学ぶことは沢山あり、大切にしたということも理解できますが、コロナ禍がこの先も不透明であることを鑑みれば、さいたま市をはじめとする上述した自治体のようにオンライン授業の導入に積極的に取り組むべきではないでしょうか。

 負担の増す先生方をどのようにサポートするのかも重要だと思いますが、その点についてはさいたま市のようにプロフェッショナル人材を任用することで一定程度は解決することができると考えらえれます。これこそ武蔵野市の豊かな財政を有効に活用する機会ではないでしょうか。

 教育課程の編成権は学校長にあるので学校長の判断によるとされていますが、市が率先してオンライン授業を導入しやすい環境を整備すれば、学校長が前向きにオンライン授業導入することになると考えられます。

 上述したように、ハードルは高いかもしれませんが、「出席」扱いすることもできます。「出席」扱いできなくても、前向きに取り組むことで児童・生徒や保護者は理解を示してくれるとも考えられます。

 現在は、児童・生徒・保護者がオンライン授業を選択することのできる環境をつくるべく、柔軟な対応が武蔵野市に求められています。

 松下市長がリーダシップを発揮して対応していくことが必要な局面です。「いのちと暮らしを守る」とする松下市長には、今ある選択肢を排除することなく、そして、他の自治体の状況を早急に研究し、オンライン授業の導入に前向きに対応していただくことを期待したいと思います。