こんにちは!9月30日に令和6年第3回定例会が閉会しました。
9月の議会日程は
・9月3日~5日:一般質問
・9月9日~13日:総務委員会、文教委員会、厚生委員、建設委員会、外環道路特別委員会
・9月18日~25日:決算特別委員会
・9月30日:令和5年度決算の認定等についての採決・討論
となり、市民の代表である議会・議員(委員)は「事務の執行状況の監視及び評価をするとともに、自らも政策の立案、提言等を行う」ために、執行部と様々な質疑を行ってきました。
以下、令和5年度の決算概要等について、決算特別委員会で議論された内容等をお知らします。
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1.令和5年度の一般会計の歳入・歳出の状況
(1) 歳入の状況
武蔵野市の令和5年度一般会計の「歳入額」が794.0億円で、そのうち「市税」が447.8億円となりました。市税には、市民税、固定資産税・都市計画税などが含まれます。
東京都の令和5年度の一般会計の歳入の規模は、8兆8,987億円で、国の一般会計の歳入の規模は、140兆円となっています。
武蔵野市の財政状況を「市民一人当たり市税」の水準において、三鷹市と比較してみたいと思います。
・武蔵野市の「市民一人当たり市税」
~武蔵野市の人口は14.8万人なので、30.3万円(=447.8億円÷14.8万人)
・三鷹市の「市民一人当たり市税」
~三鷹市の人口は19.0万人なので、21.4万円(=406億円÷19.0万人)
上記からは、武蔵野市は三鷹市より「市民一人当たり市税」が8.9万円(人口14.8万人×8.9万円=131.8億円)も大きく、担税力のある市民の皆様の支えられたとても財政的に豊かな自治体であることが確認されます。
(2) 歳出の状況
武蔵野市の「歳出額」は761.8億円となりました。
武蔵野市の財政状況を「市民一人当たり歳出額」の水準において、三鷹市と比較してみたいと思います。
・武蔵野市の「市民一人当たり歳出額」
~武蔵野市の人口は14.8万人なので、51.4万円(=761.8億円÷14.8万人)
・三鷹市の「市民一人当たり歳出額」
~三鷹市の人口は19.0万人なので、40.9万円(=777.9億円÷19.0万人)
武蔵野市は三鷹市より「市民一人当たり歳出額」が10.6万円(人口14.8万人×10.6万円=156.7億円)も大きくなっています。令和5年度において、実質的には、武蔵野市は三鷹市よりも1年間あたり156.7億円も多くの税金を投入して市政運営したということになります。本当に豊かな自治体です。
貴重な税金は無駄なく有効に使われなくてはなりません。
2.決算特別委員会及び討論について
(1) 決算特別委員会について
決算特別委員会では、
・監査委員審査意見、人件費及び総括、歳入のほか、
・総務費、民生費、教育費などの款別
に議員(委員)が質疑しました。具体的に議論された内容や個人的な見解等についてはX(旧ツイッター)でポストしていますので、以下をご参照ださい。
・9月19日のポスト
・9月20日のポスト
・9月24日のポスト
・9月25日のポスト
(2) 討論について
決算特別委員会で質疑された内容を踏まえて、本会議にて9月30日に決算を認定するかどうか採決されましたが、令和5年度決算は一般会計について賛成多数、その他の会計について全会一致で認定されました。
その場では、会派などを代表して「討論」が行われました。「討論」とは、賛成や反対の理由を述べて自分の立場を明確にすることです。賛否の理由を述べることにより自分の意見に賛成・同調することを他の議員に求める意味合いもあります。
今回、私も令和5年度を「賛成」するにあたり、「討論」を行いましたが、「討論」では、評価すべき点を2点、改善を求める点を2点、個別の事業として3点について言及しました。その概要は以下の通りです。
① 2つの評価するべき点
今回の決算において、「評価する点の一つ」は、監査委員は決算を監査した結果として、「決算等審査意見書」というものを書くのですが、ここで、これまでよりも踏み込んで問題を指摘した点です。具体的には、契約の不備、内部統制体制の問題、資産管理の問題等です。
このことによって、決算特別委員会でこれらの問題について議論できたのは有益だったと考えています。「討論」の場においては、「より健全で適正な市政運営を行っていただくために、専門的な見地から今後も、市政運営の在り方について強い問題意識をもってご対応いただきたい」と要望しました。
もう一つの「評価した点」は、財政的な懸念について言及した上で、基金を60億円積み増したことです。
物価高騰は明らかに、公共施設の再整備費用、吉祥寺駅南口の再整備や都営水道の統合などの大規模事業、市政運営のためのランニングコストなどに影響を与え、今後の武蔵野市の財政に大きな負担を与えることになります。市の対応を評価したうえで、「より一層、強い危機感をもって、将来を見据えた財政運営を行っていただくこと」についても要望いたしました。
② 2つの改善を求める点
問題であり「改善を求める1つ目」は、市が事務事業の数を把握していなかったことです。最後に把握したのは平成18年度という可能性が高い状態です。基準の設定が難しいということでしたが、そのような状況において、「これまで無駄のない市政運営が行われた」と説明をされても到底納得できないものと考えられます。
執行部に対しては、このような状況を改善すべく、「早急な事務事業数の把握とあわせて、早急な有識者や市民などの外部人材による行財政改革委員会の設置」を要望しました。
「改善を求める2つ目」は、情報の共有・開示についてです。この決算特別委員会では、保育園児が公園で置き去りになったという問題が明らかになったのですが、この問題については、市長が不在だったときに生じたということと、保護者の意向、前例を踏襲したということなどもあったということですが、議会・議員との情報開示・共有が十分ではありませんでした。
小美濃市長に対して、「武蔵野市役所において風通し良く、積極的に情報を開示・共有するような風土を根付かせていただきたい」と改善を求めました。
③ 3つの個別事業
言及したかった事業はたくさんありましたが、時間の関係もありましたので、3つの事業に絞って言及しました。
一つ目は、吉祥寺で新たに建設した「クックロード自転車駐車場に関連した駐輪場売却問題」について言及しました。松下市政において発生した駐輪場売却問題は、
・公益性:駅利用者の利便性を考慮したといえるのか?
・情報共有・開示:議会、市民への情報提供が十分ではなかった。市民説明会の当日は駐輪場の売却を協議中としながら、翌日に売却した。
・契約の在り方:入札ではなく随意契約で民間企業に売却。違法性の疑いがある等といった行政上の問題がありました。
「様々な観点から公益性を検討すること、議会・議員への報告を大前提とする市政運営を行うこと、違法性を疑われるような強引な契約や取引を行わないこと」を要望いたしました。
2つ目の事業は、「指定管理者制度の導入」についてです。来年度から、スイングホール、芸能劇場、かたらいの道スペースについて、これまでは市の外郭団体である武蔵野市文化生涯学習事業団が行ってきましたが、来年度からある株式会社が管理運営を行うことになりました。
市の説明では、コストが大きく下がるわけでもなく、人員が減少するわけでもなく、「特色あるサービスが提供できる」ことがその株式会社を指定管理者とした理由だとしています。
しかしながら、サービスについて、上記の3つの施設を利用する際には、今後、別の予約システムが構築されることになるというのです。つまり、予約システムについてはサービスの向上というよりは悪化ということになります。
私としては、本当に特色あるサービスが提供されることになるかしっかりと監視していきたいと考えています。そのうえで、市には、「相当な『特色のあるサービスが提供』されるように指導管理していただきたい」と要望いたしました。
3つ目の事業は、「オンライン授業の導入」についてです。「子ども議会」でもありましたが、中学生からは、将来に不安を感じることから勉強できる環境が欲しいという要望を耳にすることが多くあります。例えば、不登校の生徒についても、勉強したいけど授業をきくことができないことから勉強が遅れてしまうというのが不安の一つと聞いております。
オンライン授業は小美濃市長の公約でもありました。市には、「オンライン授業の導入」と「タブレット更新のタイミングに合わせて講義を動画で見ることのできるアプリの導入」を要望いたしました。
以上、ご報告いたします。
武蔵野市議会議員
小林まさよし