いつも大変お世話になっております。
4月1日となり、新年度がスタートしました。
当面は大きな選挙は予定されていませんが、1年後の来年4月は統一地方選挙が控えております。
気持ちを新たに、人でも多くの皆さまと信頼関係を築けるよう、しっかりと活動してまいりたいと考えています。
皆様がご承知の通り、国際情勢が不安定な状況にあります。
日本においては、少子高齢化・人口減少という問題を抱えていますが、この問題に加えて、最近の国際情勢が金利上昇、円安、原油価格急騰などの金融市場に影響を及ぼしています。
学生時代に経済を専攻し、証券会社にて勤務していた経験からは、このような金融市場の変化が日本、そして、武蔵野市の未来における不確実性を増大させていることに強く懸念しています。
ご承知のことも多いと思いますが、今回は、市政ニュースというより、コラム的な視点から、上記の論点について、具体的なデータを踏まえて現状を整理した内容をお知らせしたいと思います。その上で、皆様と問題意識を共有することができれば幸いと存じます。
なお、以下の3点をもとに構成しています。
1. 日本が抱える課題~すでにピークを迎えた人口数、今後は加速する少子高齢化・人口減少
2. 国際情勢の不安定化に伴う円安、金利上昇、原油急騰など金融市場の変化~更なる物価・建設費高騰と不確実性の増大が懸念される
3. 高コスト状態にある武蔵野市は物価高騰の影響を受けやすい~増大する不確実性に対して危機感をもった行財政運営が求められる!
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1. 日本が抱える課題~すでにピークを迎えた人口数、今後は加速する少子高齢化・人口減少
日本が抱える課題の一つは、少子高齢化・人口減少です。
1945年の人口は7,215万人でしたが、2008年の人口が1億2,808万人とピークを迎え、2025年の人口は1億2,322万人と一時期より減少しています。そして、国立社会保障・人口問題研究所(以下、「社人研」とします。)が2023年に公表した将来人口推計によると、今後は少子高齢化・人口減少が加速し、30年後の2056年には、現状より約2割の減少して1億人を下回る水準になると予想されています。
最近でも、ムーバスの減便に象徴されるように、担い手不足が問題となっていますが、今後は、この担い手不足があらゆる分野で一層顕著になり、大きな社会課題として浮き彫りになっていくものと考えられます。

なお、社人研の推計値では、出生数は減少すると推計されていますが、ここ数年の実績は、社人研が2023年に公表した推計値を下回っています。この先の出生数は、現在の推計値を下回る可能性が高いと推察されます。

参考情報ですが、武蔵野市の学校改築事業で公表されている中学校生徒数の推計(武蔵野市推計。20年後の2045年までの期間。)では、下記の表のとおり、2038年以降はほぼ横ばいとされています。しかし、全国的に出生数が減少するという推計値・流れを踏まえると、個人的には、この推計値には違和感を持っています。将来的な武蔵野市の中学生の生徒数は、市の推計値を下回って減少する可能性が高いと考えています。私は、学校改築事業においても、その可能性を念頭に議論してもよいと考えています。

2. 国際情勢の不安定化に伴う円安、金利上昇、原油急騰など金融市場の変化~更なる物価・建設費高騰と不確実性の増大が懸念される
ロシアによるウクライナ侵攻以降、エネルギーや小麦などの資源価格が急騰し、国内では物価上昇が広範囲に及びました。不確実性の高まりから為替相場は大きく円安(図表1)に振れ、輸入品価格をさらに押し上げました。こうしたインフレ圧力の強まりを受け、物価安定を目的とする日銀は金融政策を転換し、利上げなどの影響もあり金利が上昇(図表2)する状況となりました。


さらに、イラン・中東情勢の緊迫化により、原油価格は3月以降急騰(図表3)しています。政府も対策を講じていますが、国際情勢の不安定さが続けば、円安と原油高が重なり、物価・建設費高騰が一段と進む可能性があると考えられます。
なお、現在、景気が停滞しているにも関わらず、物価だけが上昇するというスタグフレーションの発生可能性が懸念されています。

3. 高コスト状態にある武蔵野市は物価高騰の影響を受けやすい~増大する不確実性に対して危機感をもった行財政運営が求められる!
これまでに幾度かお知らせしているとおり、武蔵野市は豊かな自治体であるがゆえに、高コスト化が進んでいます。そのような状況で国際情勢の不安定化が、金利、為替、原油価格などへ影響を及ぼしている状況にあり、これまで以上の物価・建設費高騰が武蔵野市の財政を圧迫する可能性があります。
また、インフレが加速すると、税収が増える部分もありますが、高コスト状態にある武蔵野市は、物価高騰すればするほど、その影響を他の自治体よりも大きく受けることになります。
特に影響を受けるのは、公共施設の再整備に関する費用だと考えられます。武蔵野市は、市民一人当たり床面積においては、近隣自治体の1.4倍程度の公共施設を有しています。直近の見通しでは、30年間で4600億円を要するとしていますが、今後、この見通しを上回る可能性が高い状態にあるといえます。

先日お知らせした通りですが、今年3月に市が公表した長期財政シミュレーションでは、30年後に基金が枯渇しないという内容である一方、私は、下記の
① 市の将来人口推計値が下振れる可能性
② 公共施設の再整備費用などのコストの見通しがこの先上振れる可能性
③ 吉祥寺駅南口・三鷹駅北口再整備、上下水道関連などの大規模事業が織り込まれていないこと
といった下振れリスク・不確実性を指摘させていただいています。
上述したように、昨今の国際情勢の不安定化や金融市場の変動が続く中で、特に②に関わる不確実性が一段と増している と強く感じています。これまでの主張と大きく変わるものではありませんが、改めて、これまで以上に不確実性の高まりに危機感をもって、更なる不確実性の増大にも備えた行財政運営が、武蔵野市には求められている環境になったと捉えています。
今後も、未来を見据えつつ、魅力ある武蔵野市をつくり上げていくため、議会内外で上記について積極的に訴えてまいります。皆様にも武蔵野市の現状と課題についてご理解いただき、ご支援を賜れれば幸いに存じます。
なお、先日の討論では言及したのですが、多額の税金が投入される公共施設再整備に当たっては、市に優先順位をつけて対応することを要望しています。例えば、
・設置義務のある学校施設の改築や、市民の生命・安全に直結する施設の整備は最優先で進めるにしても
・そうではない施設については、一般論として、最低限の延命化、複合化、機能移転など、複数の選択肢を改めて検討すること
です。 市民生活に与える物価高騰がある状況も踏まえて、中長期的な武蔵野市の全体最適につながるような慎重な判断が求められます。
以 上
武蔵野市議会議員
小林まさよし
