いつも大変お世話になっております。
ここでは、3月2日に実施した一般質問に関連して『駐輪場売却問題』の概要等についてお知らせいたします。
※一般質問とは、議員が議案とは直接関係なく、市長に対して市が行う福祉、教育、インフラなど様々な事業について、現況や問題点、将来の方針などを幅広く質問するものです。武蔵野市では30分の質問時間が与えられています。
今回の一般質問では、主に次の2点を取り上げましたが、1についてお知らせします。
1.駐輪場売却問題の道義的問題と今後の市の対応について
2.将来人口推計について、市に問題意識を持ち、将来世代に責任を負う誠実な対応を求めることについて
赤字の部分だけでもご覧いただければ幸いです。
1 駐輪場売却問題について
(1)損害賠償請求は棄却~しかし裁判の過程で明らかになった問題が市政を正すと信じる
多くの皆様のご支援の下で進めてきた裁判では、残念ながら損害賠償請求は棄却される結果となりました。しかし、私は原告のサポートをさせていただく中で、情報公開請求を行ったり、様々な調査を行ったりしましたが、その過程で多くの問題点が明らかになりました。
振り返ってみると、市としては、市民や議会が大きな問題意識を持って調査することはないだろうと考え、令和3年5月に議会へ報告しただけで取引を進めようとしたのではないかと思います。しかし、このような市の考え方や対応そのものが、市民や議会を軽視したものだったと指摘せざるを得ません。
そのような中、善意ある市民の皆様が立ち上がり、陳情や住民監査請求、さらには住民訴訟を提起しました。残念ながら裁判所は請求を棄却する判断をしましたが、この一連の取り組みは、市政の問題を明らかにし、今後の市政を正していくことにつながるものと信じています。
(2)小美濃市政は反省を言葉にした~様々経緯はありますが、反省する姿勢を評価
市に対して、本件について道義的責任をどのように考えているのかを問いただしたところ、
・「市民の中に誤解や不信感を生じさせてしまったことについては、そのような側面があるのだろうということを、しっかり反省しなければならないと考えている」
・「市民に不信や誤解を与える結果となった点については、道義的な責任の側面があることを真摯に受け止めている」
との答弁がありました。
小美濃市政となり、これまで様々な経緯がありましたが、市が反省の言葉を述べたことについては、一定の評価に値すると考えています。
上述したように、この住民訴訟を起こしたことにより、市政の問題が明らかになり、市政の正常化につながる契機になったと考えており、その意味で大きな意義があったと考えています。
(3)これまでの市の対応で問題と考えられる主な点について
問題と考えられる点について、その一部を下記の通りご紹介します。
① 国の規則とは異なる対応~法的整理が十分だったのか?疑問が残る
国は、随意契約で土地を代替地として売り払う場合、『土地収用法』の対象事業に限定しています。これは、道路や河川整備、廃棄物処理施設など、公益性が高く必要不可欠な事業に限るべきと考えられます。
しかし武蔵野市は、土地収用法の対象外である『駐輪場建設事業』のために市有地を売却しました。また、市はこれまで議会で市が作成する要綱を法的根拠として説明しました。これらからは、十分な法的整理がなされていまま、議会や市民への説明を考えることなく話を進めたのではないかという疑問が残ります。
② 駐輪場の土地評価における問題点~レーサムが利益を得る結果に
土地評価について、複数の問題が確認されているので、以下についてご紹介したいと思います。
ア)1者の不動産鑑定士による鑑定であるがゆえに低い価格で評価された可能性がある!
市はたった1者の不動産鑑定士の評価のみで市が所有していた駐輪場の売却価格、そして、レーサムが所有していた土地の購入価格を決定しました。
しかし、複数の不動産鑑定士の評価であれば、より高く売却できた可能性があります。実際に、原告側が依頼して裁判所に提出した2者の不動産鑑定士の鑑定結果は、いずれも市の鑑定結果より高い評価額を示しました。
ちなみに、かつて武蔵野市は、土地評価に当たって、必ず2者以上の不動産鑑定士による評価をしてきました1者鑑定は今回が唯一のケースです。どのような結果になろうと、市は2者以上の評価をすべきであったと言えます。
イ)レーサムは駐輪場の土地取得により資産価値は倍増!市民からは利益供与ではないかという声も!
レーサムは市の駐輪場を取得したことにより、駐輪場の隣地にあったレーサム所有の土地と一体地となりました。
隣地三倍!という言葉もありますが、一体地となったことによって資産価値が増加したことから、レーサムがもともと保有していた土地(駐輪場の隣にあった土地)の評価額は、8.4億円から17.3億円へと2倍以上の上昇となりました。市民の中には、市が利益供与したのと同じではないかと指摘する声もあります。
購入しただけで資産価値が2倍以上になるのだから、是が非でもレーサムは市の土地を欲しかったというのは間違いない、ということができると考えます。
ウ)市は根拠となるデータがないまま4%(約2,000万円)も高い評価でレーサムの土地を購入!
市は、レーサムが所有していた土地を通常の評価より、市が依頼した1者の不動産鑑定に従って4%(約2000万円)も高く購入しましたが、財産価格審議会では、審議委員からなぜ4%も高く買うのかという点について、その根拠となる情報(収益還元法という手法などによって示される具体的な裏付けデータ)を入手する必要があると指摘されたことが議事録から確認されました。
そのことについて市にその情報を入手したかどうかを尋ねると、市はその根拠となる情報を入手していなく、現時点でも所有していないことが明らかになっています。市は、審議委員の指摘に従うことなく、根拠がないまま4%(約2000万円)もの血税を支払って土地を購入したのです。
③駐輪場の移設は 市の利益の増進につながったのか~その理由について検討したことなどを確認できる資料は存在しない、市民からは損失だったとの声
裁判所は、駅近くの駐輪場を売却して、駅から遠くなったところに駐輪場を建設したことが市の利益の増進につながったと判断しました。裁判所は判断の理由として、市が説明した
ア)駐輪場の大規模改修または移転の必要性
イ)歩行者の安全確保
ウ)消防団第2分団の敷地拡張の必要性
をそのまま受け入れたのです。
しかし、上記のア)からウ)について、私が具体的な検討がなされたことを確認できる資料の開示を求めたところ、市からの回答は『情報不存在』でした。
つまり、移転を検討したことが確認できる資料、駐輪場近辺で事故が何件発生したかなどが具体的にわかるデータ、市民や消防団関係者から消防団第二分団の敷地拡張を要望することが確認できる資料はないという回答だったのです。
市民の中には、市が挙げた理由は後付けのものではないかとの指摘もあります。また、市民にとっては不便になり、利益の増進どころか損失だったと感じているという多くの声が届いています。
④ 市民説明会では協議中と説明しながらも翌日に売却~さらに、実は、売却決定後に建設委員会からの要望で市民説明会の開催を検討しはじめたということ
令和3年10月27日に市は本件に関する説明会を開催しました。説明会では、市民からの質問に対して、「土地の売却は協議中」と答弁しました。
しかしながら、市は、説明会の翌日(10月28日)に市長決裁の下で売却を決定しました。
更に問題なのは、
・市がレーサムへの駐輪場の土地の売却を約束したのは令和3年8月17日
ですが、
・市民説明会の開催を検討し始めたのは同年9月16日の建設委員会での要望を受けてから
ということです。つまり、売却を決めた後に、説明会を開催するかどうかを検討したことになります。
その意味では、同年10月27日に開催されたのは市民説明会というより、実質的には『事後報告会』だったといえます。市民にきちんと説明する意思があるのならば、売却する前に説明会を実施すべきでした。個人的には、市民に対して説明する意思がなかったとしか考えられません。
また、これらの対応は、『市民を軽視』した対応であったと指摘せざるを得ないと考えています。
⑤ 規則変更によるレーサムへの配慮~市民からはなぜそこまでレーサムを優遇するのか?との声
レーサムは、新たに建設する建物に求められる駐輪場の設置義務について、「建設費高騰により予算が厳しい」ということを理由に、市に対して「隔地駐輪(*)の距離の緩和」を要望しました。市はその要望を受け、規則を変更しました。
市民の方からは、レーサムをなぜそこまで優遇したのか、という声が届いています。
(*)隔地駐輪とは、建築物やその敷地内に駐輪場を設置できない場合に、敷地外の一定距離内に設置される自転車駐輪場のことを言います。
⑥その他に確認されたこと: 売却した駐輪場のみ利用料金を値上げしていた事実など
上記以外のその他について、どのようなものが問題として確認されたのかをお知らせします。
ア)レーサムに売却された駐輪場では、売却のための閉鎖するまでの半年間、利用料金が以前の100円から200円へ引き上げられました。
これまで武蔵野市で200円に引き上げられた駐輪場は、唯一、このレーサムに売却した駐輪場のみです。
利用された多くの方々が、レーサムに売却するために、利用実績を引き下げる必要があるから料金を引き上げたのだ、とおっしゃっています。
イ)また、市は、吉祥寺イーストエリアの駐輪台数が不足するという見通しに基づいて、駐輪台数減少に対応すべく駐輪場の集約などを検討したと説明しています。しかし、この土地取引に伴う駐輪場の廃止と開設の結果は、全体として駐輪台数は215台減少するという結果をもたらしています。
市民の方には、レーサムに売却するために、検討する理由をつくったのだ、という人もいます。
本当は、もっと多くの問題点についてお知らせしたいのですが、、、、長くもなりますので、駐輪場売却問題について、裁判等を通じて明らかになった問題点の概要・認識について、以上のようにご報告いたします。
乱筆乱文をご容赦ください。
武蔵野市議会議員
小林まさよし








