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  • 武蔵野市政ニュース~令和6年度決算② 【歳出のポイント:歳出額も過去最高の《864》億円!

    こんにちは!

    先日、令和6年度決算についての定点観測として、歳入の状況についてお知らせしましたが、本日は、【歳出の状況】について、確認されたことをお知らせしたいと思います。

    歳出の状況のポイントは以下の通りです。

    1.歳入額も過去最高の864億円
    2.主な増加要因は、①委託料の増加、②公共施設再整備費用の増加、③物価高騰対策としての給付金支給事業による増加
    3.問題意識~進む高コスト化の財政運営
    4.三鷹市よりも市民一人当たり歳出額は14.3万円も大きい!一年間で212億円(14.8万人×14.3万円)も三鷹市よりも多く税金を使っていると計算される
    5.新しい評価:5年ぶりに「吉祥寺まちづくり基金」を積み増し(4億円)。小美濃市長の吉祥寺の再整備の意志の表れとして評価
    6.新しい懸念事項:市債発行残高の増加と金利上昇がもたらす支払利息の増加(財政負担の増加)

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    【歳出のポイント】

    <歳出の状況~歳入同様、過去最高額に!>

    1.歳出額も歳入に合わせて、右肩上がりに増加し続けてきました。令和6年度は令和5年度対比では102億円と大幅増となり、歳出額総額は過去最高の864億円となりました。

     

     

    <前年度との変動要因>

    2.前年度との主な変動要因を性質別に見ると、以下の通りとなっています。
     ①物件費:主に外部機関への委託料の増加(+20億円)
     ②投資的経費:老朽化した公共施設の再整備費用の増加(+67億円)
     ③扶助費:主に物価高騰対策としての給付金支給事業が増加(+11億円)

     

    <注意事項・問題点~委託料を中心とした物件費の増加や投資的経費の増加による高コスト化が進む>

    3-1.注意すべきは上記2のうち、①の物件費の増加と②投資的経費の増加です。
    これまでの傾向と変わりはありません。行財政改革により進展する高コスト化を抑制する必要があります。

    3-2.①の《右肩上がりに増加する物件費》(下記表ご参照)については、システム構築等費用、クリーンセンター管理運営委託料の増加など物件費のうちの委託料の増加が主因となっています。

     

    武蔵野市の財政運営における構造的な問題の一つは、武蔵野市の外部機関へ委託料が他の自治体よりも大きな水準にあることです。
    そして委託料の大きさについては、武蔵野市には外郭団体が14もあるということが影響しています。外郭団体の統廃合についても検討していく必要があります。


    また、この委託料には委託先の人件費が含まれるのですが、今後、人手不足やインフレが進めば進むほど、他の自治体よりも武蔵野市の財政負担が増加することなります。

    安易に外部に委託することがないようにすることや事務事業の見直しなどによる行財政改革が武蔵野市には求められます。
    また、有識者、コンサルティング業者などによる第三者による行財政改革委員会の設置が必要だと考えます。

    3-2.②の《投資的経費の増加》についてですが、令和6年度は中学校改築事業、高齢者総合センターなどの工事費増加が影響しました。

    武蔵野市の財政における構造的な問題のもう1つは、武蔵野市では老朽化した公共施設の大更新期に入っているのですが、他の自治体よりも公共施設を多く保有するために、老朽化のための再整備費用に多額の税金がかかることに加えて、建設費高騰の影響を大きく受けるというものです。

    令和4年3月に公表された第2期公共施設総合管理計画の再整備費用は30年間で3000億円でしたが、直近の公共施設の建設費用と第2期の計画で見込まれた建設費用と比較すると現在は1.5倍以上であることから、計画通りに進めると30年間で4500億円を上回る水準が必要になると試算されます
    将来における財政負担増加がどのように市政に影響するのか懸念されます。

    近隣自治体がどのくらい公共施設を持っているかということについてみてみると、上の表のとおり市民一人当たりの床面積で比較すると、武蔵野市は2.08㎡(計画値)と近隣自治体の1.4倍以上と明らかに大きい水準にあります。
    老朽化した公共施設の再整備費用が大きく、また、建設費高騰の影響で財政負担が近隣自治体より大きな水準であるということがご認識いただけると思います。

    現在、計画されている公共施設の再整備において多額の税金を投入する必要のある、保健センターの増築(35億円)や公会堂(31.5億円)の改修については、市民の皆様との意見交換を踏まえて、方針を決定すべきだと考えます。

    下記表は、武蔵野市以外の近隣自治体の公共施設の再整備の状況について、各自治体の公共施設再整備計画の方針等をまとめたものですが、延床面積を縮減するために、例えば、長寿命化・集約化、学校を軸とした街づくりなどを行うとしています。

    しかしながら、武蔵野市が令和4年3月に策定した第2期公共施設再整備計画は実質的に床面積を増やすことを容認する計画であり、縮減という方針を打ち出しませんでした。
    新たに第3期公共施設再整備計画の策定に向けて、執行部は作業しているということですが、多くの公共施設を保有する武蔵野市において、今後の建設費高騰による公共施設の再整備等に関する財政負担の増加を考慮すると、これまでの公共施設を増やすという計画ではなく、削減するという目標・方針を策定するべきだと私は考えています。

    <市民一人当たり歳出額~1年間では三鷹市より212億円も多額の歳出額>

    4-1.令和6年度の市民一人当たり歳出額を見てみると、武蔵野市は58.3万円、三鷹市は44.0万円となっています。この差は14.3万円となっていて、市民14.8万人とすると、令和6年度において、武蔵野市は三鷹市よりも212億円(14.8万人×14.3万円)も多くの税金が投入されて行財政運営を行ったということになります。
    なお、武蔵野市の市民一人当たり歳出額が三鷹市よりも圧倒的に大きいということと、市民一人当たり歳出額とともに拡大傾向にあるという懸念事項に変わりはありません。(下記表ご参照)
    税収が大きくて財政的に全国でもトップ水準にある武蔵野市でありますが、増加傾向にある物件費1.5倍以上になる見通しの公共施設等の建設費用高コスト化が進んでいます。また、将来懸念される少子高齢化による税収減や社会保障費の増加を考慮すれば、10年後、20年後を見据えて無駄をなくした行財政改革を推進して将来に備えていく必要があると思料します。


    4-2.令和6年度においては、三鷹市よりも1年間212億円も多くの支出をしたことになる武蔵野市ですが、どのような支出が多いのかを性質別にみてみると、以下の表の通りとなります。
    その中で差が大きいのは、上記3でご覧いただいたように、物件費(三鷹市対比で+4.6万円)、投資的経費(+5.6万円)となっています。三鷹市との差の212億円のうち、武蔵野市は
    ・物件費に68億円(決算では193億円計上)
    ・投資的経費に83億円(決算では124億円計上)
    も多額の税金を投入していることになります。

      


    <その他:5年ぶり!吉祥寺まちづくり基金を4億円積み増し!>

    5-1.その他の中で特筆すべきは、私がこれまで議会で「吉祥寺の街づくりを推進するために必要なもの」として積み立てを要望してきた「吉祥寺まちづくり基金」が、今回4億円積み増された点であり、評価できると考えています。
    この基金は松下市長時代以降、積み増しが行われなくなっていましたが、今回5年ぶりに再開されたことになります。これは、小美濃市長が吉祥寺の街づくりを推進していくという強い意志の表れであると受け止めています。

    5-2.武蔵野市は今後、市債を発行(借金)して学校の建替えなどの公共施設の再整備を行っていく予定です。令和6年度の市債残高は約19億円増加して119億円になりました。
    新しい懸念事項の一つは、今後、①金利上昇、②残高の増加による支払利息の増加が財政を圧迫することです。。​

    だいぶ過ごしやすくなってまいりましたが、季節の変わり目ですので、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。

    以 上

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    乱筆乱文をご容赦願います。
    引き続き、よろしくお願いします。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 武蔵野市政ニュース~第2回定例会:一般質問の概要等のご報告②~「まちづくりに関する条例」等について

    こんにちは!

    いつも大変お世話になっております。
    一般質問の概要等のご報告①に続きまして、

    1.一般質問の概要
     ⑴減税を含めた物価高騰対策
     ⑵まちづくりに関する条例(葬祭場建設を含む)
     ⑶吉祥寺大通り東自転車駐車場売却先の創業者逮捕に関する市の見解
     ⑷公共施設等総合管理計画の計画策定延長

    2.駐輪場売却問題裁判について

    3.武蔵野プレイスの未利用会議室の勉強部屋としての開放

    のうち、①でお知らせした1-⑴と、1-⑷を除いた内容について、以下の通り、ご報告したいと思います。

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    1.一般質問の概要

    ⑵まちづくりに関する条例(葬祭場建設を含む)について

    <問題意識等概要>

    ①吉祥寺東町のマンション建設においては「まちづくり条例の改正」の陳情が提出されています。
    また、西久保における葬祭場建設において、近隣住民の方々は事業者との調整においてご苦労されたことが確認されています。

    葬祭場については市に要望していた条例等の設置については、要綱を設置してくれたことについては感謝しているところです。

    しかし、そもそもの問題としては事業者と近隣住民との間では、知識や経験などに大きな差があるにもかかわらず、事業者がただ行政手続きを合法的に進めれば、たとえ近隣住民の方々に要望等があっても 事業者がその要望を満たさなくても問題にならない状況になっていることにあると考えています。

    後で紛争等が生じないようにするために、近隣住民の方々が知識や経験の差を打ち消すことのできるような内容となる近隣住民に寄り添った条例等が仕組みとして必要だと考えられます。

    ②2019年に公益社が吉祥寺本町3丁目に葬祭場を設置したのですが、疑問に感じるのは、なぜ葬祭場建設における近隣住民とのトラブル等が生じないようにすることを目的に葬祭場建設において、条例等の設置の必要性について検討しなかったのかということです。

    ③様々嫌悪施設と呼ばれるものがありますが、現在のまちづくり条例等によって事業者と近隣住民において紛争が生じうる可能性はないと考えてよいのか。精査する必要があるのではないか。

    <結論等概要>

    ①市の答弁として次の内容を確認。吉祥寺の公益社はまちづくり条例の対象であったため、規模にかかわらない葬祭場建設等にかかる条例化の検討は見送ったが、社会の変化に対応して、様々な用途の建築が計画される可能性があり、紛争が生じないよう、きめ細やかな対応が必要であると考えている。

    ②そもそも公益社が建設されたときに、にしっかりと対応していれば、西久保における葬祭場建設において、事業者と近隣住民の方のトラブルはもっと小さなものだったと考えています。市側には、近隣住民と事業者の間で紛争になることがないように、必要ならば条例等の設置を検討することについて精査することを要望。

    ⑶吉祥寺大通り東自転車駐車場売却先の創業者逮捕に関する市の見解

    <問題意識>

    ① 5月12日、武蔵野市が売却した吉祥寺大通り東自転車駐車場――以下、駐輪場とします――の売却先である株式会社レーサムの創業者が、薬物所持等の疑いで逮捕されたという報道がありました。市が取引した以前においても、この創業者については薬物所持の可能性について報道・記事がありました。

    近隣住民の方と市の担当者が面談した際の議事録を見ると、市の担当者などに問題ないのかなど確認をとったものの、市がその問題をもみ消すような形で近隣住民を説き伏せているのが確認されています。

    ②問題の一つには、市が駐輪場を売却したことによって、少なくともレーサムが所有していた駐輪場の隣地の土地は正常価格で8億8,360万円であったものが、限定価格で17億8,750万という評価になることを、市の財産価格審議会が審議して、認めていたにも関わらず市が取引したということです。つまり、駐輪場を売却したことで、レーサムが所有していた駐輪場の隣地部分は、単独でもその土地価格が2倍となり、9億円以上の資産価値の向上が図られました。市民の方には、市が利益供与したのと同じではないかと言う人もいます。明らかに一民間企業を優遇するような取引をしたことは問題があったのではないか。

    ③レーサムの株価は、駐輪場を売却する前、下落し続けていましたが、市が駐輪場を売却した2021年10月28日の翌月11月には、最安値であった545円の株価が反転して、直近の株価は5,890円となりました。最安値からは10倍以上の株価となっています。

    武蔵野市の駐輪場の取引後に株価が反転したこと、そして創業者は上昇した株価によって多額の売却益を得たということは事実として確認されます。上記②の駐輪場購入による資産価値向上が株価上昇の要因の一つとなり、逮捕につながるような薬物所持などの行為をもたらした可能性は否定することはできません。

    ④市のレーサムに対する信用調査に問題あったと考えるが、市はどのように考えているのか。

    <結論等概要>

    ① 市の答弁は次のようなものでした。「(創業者が薬物所持等の可能性があるという)記事にあるような事実は一切ないことをヒアリングした」、「売却先は当時上場している企業であり、東京証券取引所の厳格な審査基準を満足していること、過去の報道についてヒアリングしてることから市は善管注意義務を怠ったとは認識していない」

    ②市は創業者の薬物所持等の噂があったのにもかかわらず目をつぶって、市民を説き伏せて強引に取引しました。そして、実際に創業者は逮捕されました。しかし、上記①にあるように、市がこのことについて問題意識を持っているという意識は感じられませんでした。

    私からは、第三者の調査機関を使うべきだったということ、市が善管注意義務を怠っていないということについて問題があったのではないかということ、信用調査の在り方について規則が必要ではないかという意見を市側に伝えました。市がこのままこの不十分な調査対応を含めて駐輪場売却問題について何も反省することなく終わってはならないと考えています。

    ④私の方からは、市に対してこの取引において、少なくともこれまで議会で指摘されたこと全てについてしっかりと検証してほしいということを強く要望ました。

    2.駐輪場売却問題の裁判について

    駐輪場売却問題の裁判ですが、6月12日の高裁判決がでて、残念ながら棄却されました。これを受けて、土屋正忠元市長ら原告は上告しています。

    判決内容については改めてご報告する機会を設けたいと思いますが、地裁が認めた「市長の裁量権の範囲の拡大」を踏襲するものだと考えています。

    本来、市の財産を売却する際には競争入札と定めています。しかし、市は競争入札することなくいくつかの理由をつけて『随意契約』で駐輪場をレーサムに売却しました。

    国の財産売却については、「駐輪場を建設するために国の土地を『随意契約』で売却することは認めない」という規則となっています。また、これまでの最高裁判決では公益性の高い「ごみ焼却施設建設」のためには『随意契約』することを認めています。

    地裁・高裁の判決の特徴を考えると、上述したように「市長の裁量権の範囲の拡大」を認めるものになると考えますが、本当にこのようなことが認められていいのかということについては強い疑問を持たざるを得ません。国以外の地方自治体では、理由をつければ競争入札することなく、『随意契約』でその地方自治体の財産を「首長の裁量権の範囲内」として売却することを認める判例として残ることになります。

    残念ながらこれまでの状況からは逆転勝訴の可能性が高いとは言えませんが、悪例となることがないような判断を最高裁には行っていただきたいと願うばかりです。

    たとえどんな判決結果になろうと、松下前市長のもと武蔵野市が行った駐輪場売却については正義がなく、原告が起こした住民訴訟には正義があるものと私は考えています。

    3.武蔵野プレイスの未利用会議室の開放について

    武蔵野プレイスにおいて、未利用の会議室の開放を議会内外で要望してきました。

    これは、中学生から夏休みや週末に勉強できる場所がもっと欲しいというニーズがあったことから要望してきたものですが、以下の写真のように、未利用の際に、プレイス三階にある会議室の座席開放が行われるようになりました。

    この積極的な市の対応については評価し、感謝するところです。

    昨日も武蔵野プレイスを利用しましたが、季節的にも多くの方が利用されていました。これからも多くの方が利用されると思いますが、会議室の座席開放がされている際には是非そちらもご利用ください。

    image.png

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    引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 武蔵野市政ニュース~第2回定例会:一般質問の概要等のご報告①~「減税を含めた物価高騰対策」について

    こんばんは!
    いつも大変お世話になっております。

    都議会議員選挙は、残念な結果となりましたが、皆様から温かいご意見、今後参考となるご意見など伺うことができました。ありがとうございました。改めて、支援者の皆様の期待に応えるべく、気を引き締めて活動してまいる所存です。

    引き続いてのご支援をよろしくお願いします。

    ところで、第二回定例会は、本日をもって閉会しましたが、

    1.一般質問の概要
     質問した4つのテーマは以下の通りとなっています。
     ⑴減税を含めた物価高騰対策
     ⑵街づくりに関する条例
     ⑶吉祥寺大通り東自転車駐車場売却先の創業者逮捕に関する市の見解
     ⑷公共施設等総合管理計画の計画策定延長

    2.駐輪場売却問題裁判について

    3.武蔵野プレイスの未利用会議室の勉強部屋としての開放

    についてご報告したいと思います。
    ただ、ボリュームも多くなってしまったため、ここでは上記のうち、1の⑴の「減税を含めた物価対策」についてご報告します。

    (注)一般質問とは、年4回の定例月議会が開かれるときに、議員が議案に関係なく、市政の諸課題や将来への展望等に関し、市の考えについて質問を行うものとなっています。

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    1-⑴一般質問:減税を含めた物価高騰対策について

    <問題意識等概要>

    ①武蔵野市では財政力指数が1.6を超えたために東京都への課税権移転が生じて6億円の減収に

     武蔵野市は財政力が豊かであり、財政力指数が1.6という水準を超えることから、令和7年度予算においては、武蔵野市の課税権の一部(大規模償却資産に係る)が東京都に移転してしまうという問題が生じると報告がありました。

     減収額は6億円程度と見込まれ、課税権の移転により、その6億円は、市民の皆様のためではなく、東京都の裁量の下で、おそらく東京都全体に使われることになると推察されます。

     なお、下記表は令和5年度の実績ですが、令和6年度において財政力が1.6を超える自治体は、市としては武蔵野市が唯一の自治体となります。

    (ご参考:市町村ランキング)【財政力指数ランキング】お金持ちの市町村《上位1~30位》を発表!1位の自治体がお金持ちな理由とは? 自治体の「財政力指数」を見る! | 2ページ目 | LIMO | くらしとお金の経済メディア

    (令和5年度財政力指数(出所:上記HP))

    ②今後も財政力指数は1.6を超える見通しであり6億円程度の課税権の移転が生じうる

     財政力指数は、分子は「市税等の収入の一部」、分母は「想定される必要最低限のコスト」として計算されますが、今後はインフレ等の影響を含めて分子の「市税等の収入の一部」は増加する一方、分母は投資的経費の多くが含まれないなどインフレの影響を受けにくくなっています。このことからは武蔵野市では今後、財政力指数が1.6以上となり続けると予想され、毎年6億円程度の課税権が東京都に移転することになると推察されます。

    (ご参考:財政力指数の算定式)

    ③減税したら分子となる「市税収入の一部」が減少するのか?市税は大きく変わらないまま減税による物価高騰対策は可能となるのか?

     昨今、インフレ等の影響が大きく生活に影響を与えていますが、1.6と計算される財政力指数の分子となる「市税等の収入の一部」について、例えば、住民税、固定資産税、都市計画税等を減税することによって1.6を下回ることができれば、市全体の税収は大きく変わらない(課税権の移転がないため)まま、市民の納税額は減少するので市民福祉の向上の結果をもたらすのではないか、また、物価高騰対策になるのではないか。そのような減税はできないのか?

    ④市は物価高騰対策を検討しているのか?検討するならば収入の少ない生活困窮者を最優先に検討するべきではないか?

     現状の物価高騰は、特に収入の少ない方に大きな影響を与えている。物価高騰対策を行うならば生活困窮者の方を最優先に検討するべきだと考えるが市はどのように考えているのか。

    <結論等概要>

    ①減税しても分子の「市税収入の一部」に影響はないので財政力指数は変わらない。結果、課税権の東京都への移転が生じてしまう

     残念なことに、分子となる「市税収入の一部」の計算方法においては、「地方団体の標準的な税収入の一定割合により算定された額」と定められており、減税しても分子となる「市税等の収入の一部」は減少しないということが確認されました。減税しても、その分を分子となる「市税収入の一部」から控除できないため、財政力指数には変化はありません。したかって、減税しても課税権の移転が生じるということになってしまいます。

    ②財政力指数が1.6を超えたときの課税権移転は原発等の大規模施設のある自治体の周辺自治体への配慮(税金の再配分)によるもので、本来、その趣旨は武蔵野市の課税権移転を生じさせるものではない

     一般的に課税権の移転を発生させる趣旨は、原発などの大規模施設がある場合、その施設が存在する自治体以外の周辺自治体にも様々な影響があるため、課税権の一部を都道府県に移転させることにより施設が存在する自治体だけでなく周辺自治体にもその施設等から発生する税収(課税権)を再配分するためといわれています。

     しかし、武蔵野市には、そのような状況は当てはまらないにもかかわらず、武蔵野市の課税権の一部が東京都へ移転することで武蔵野市よりも豊かな自治体である港区や中央区などの23区にもこの6億円の一部が再配分されるということになります。このような課税権の移転は問題があるのではないかと考えています。

     この問題への対応としては、執行部から、「議会から国(総務省)へ意見書を提出することができる」という答弁がありましたので、今後、内容は今後検討したいと思いますが、このような課税権の移転が行われないような意見書を提出できるように、各議員と調整できればと考えています。6億円あればできることはたくさんあります。

    ③市独自の物価高騰対策は9月開催の議会にむけて検討中

     市の独自の物価高騰対策として「9月に開催される予定の第三回定例会にむけて検討している」という市の答弁が確認されました。

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    以上、長文で分かりにくい点があると存じますが、ご報告いたします。

    暑い日が続いておりますが、体調崩さぬようにご自愛ください。
    引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 武蔵野市政ニュース~令和7年度第一回定例会閉会~予算特別委員会を経て令和7年度予算は可決!

    こんにちは!
    いつも大変お世話になっております。
    本日の武蔵野市政ニュースは、昨日、「令和7年度第一回定例会」が閉会したことの御報告です。

    定例会は年4回ありますが、この定例会では、令和7年度予算について審議され、昨日、本会議において予算案が可決されました。4月1日からこの予算に基づいての市政が運営されます。

    以下、予算の概要等をお知らせします。

    《概要》
    〇評価する点

     令和7年度予算について評価できたのは、吉祥寺駅南口・三鷹駅北口の再整備、都営水道との統合、防犯カメラ等の設置事業推進、吉祥寺南病院の継承を含めた地域医療体制の維持・強化の方針などといった市民の皆様の命を守るための『安全安心の街づくり』が進んでいることです。

     松下市政で、私はこのような『安全安心の街づくり』の推進を要望していましたが、住民投票条例などのイデオロギーを最優先に労働力などのリソースが投入されて、要望に耳を傾けてもらえることなく先送りされる状態でした。

     松下前市長は関心がなかったという印象が強いところでありますが、小美濃市政になって、今その遅れを取り戻すべく前に進んでいる現状を高く評価しています。
     また、議会でも対話というよりも対立という関係が見られた松下市政と比べて、小美濃市長が対話をしようとしている点についても評価できると思います。

    〇課題等

     一方、課題もあります。それは、武蔵野市の財政が膨張していることにあります。令和7年度の予算は880億円と過去最高の水準で、武蔵野市の市民一人当たりの歳出額は59.4万円となりました。三鷹市の市民一人当たり歳出額46.9万円と比較すると、差は12.5万円であり、人口14.8万人とすると、武蔵野市は三鷹市よりも1年間において185億円も多くの税金を投入して市政運営していると試算されます。

     武蔵野市は本当に豊かな自治体ではありますが、松下市政以前の18年間では多額の税金が必要となる街づくりを行わなかったため、浮いた税金を安易に、市の事業を外部機関に委託したり、公共施設を建設するなどして、高コスト化が進んできました。その結果、物件費や投資的経費に他の自治体より多額の税金を投入しなければならないコスト構造となってしまいました。

     問題は昨今の物価高騰、建設費高騰などの影響を受けて、その高コスト化が他自治体と比較しても予算を膨張させる形で顕在化していることです。

     この高スト化が進む現状を是正することなく行財政運営を進めたら、将来、次世代に大きな負担をもたらすことになると想定されます。そのようなことがないよう行財政改革をしっかりと進めていかなければなりません。

    《討論での指摘事項等》
     昨日、予算について賛成か反対かという「賛否」を表明する前に、<討論>というものをして、予算についての意見を30分以内で表明できるのですが、私が行った<討論>において指摘した事項は以下の通りとなっています。

    ① 『市民不参加の行財政改革』から『市民参加の行財政改革』への取り組みを!
    ② 『事務事業の整理と削減』により担い手問題の軽減と街づくり等大規模事業の財源にという好循環を!
    ③ 『公共施設等総合管理計画の計画策定の延期⁉』議会と市民にメリットとデメリットの説明を!
    ④ 右肩上がりに増加し続ける『委託費(物件費)』についてのコスト・契約の精査を!
    ⑤ 『市民意識調査』を参考にして、市民の声に基づく優先順位を付けた市政運営を!
    ⑥ 『武蔵野東学園』の報道の実態調査に基づく学園への要請と生徒・児童・保護者への柔軟かつ丁寧な支援を!
    ⑦ 『葬祭場設置』に関する条例・要綱の設置により近隣住民と調和した街づくりを!
    ⑧ 子どもたちが「生きる力」を育むための『奨学金制度の設置』を!

    上記の内容については、ご参考までに<討論>の原稿を↓の通りお知らせします。25分に亘って発言する文章なので、読みにくいことがあると思いますが、ご関心ある方はご一読ください。https://drive.google.com/file/d/1PMt_HsQ4z2U6yS6yhe4isOZuc5NwYevE/view?usp=sharing

    《その他》

     <討論>の時間は30分以内と限られているため、評価する内容についても、問題を指摘する内容についてもすべてについて言及できません。
     言及できなかった内容で、大きな問題だと感じたのは、『担い手不足』の問題でした。

     将来的な市職員の『担い手不足』、現在のムーバスなど公共交通機関の減便などで確認される『担い手不足』、市内のコミセン、テンミリオンハウス、消防団などの地域活動における『担い手不足』などが問題となっています。

     コミセンについては要望していた手当の引き上げがあったころから、担い手不足の解消に期待しているところでありますが、この『構造的』な問題は顕著になっていくものと想定されます。

     本当に難しい問題ですが、できるだけ多くの市民の方がこの問題を共有して、解決に向けて少しでも協力できるような環境をつくるなど、先を見据えてできる対策は打っておく必要があると強く感じています。

    《予算特別委員会で審議された内容について》
     5日間の予算特別委員会に置いてどのような議論がされたのかについてはXに投稿しています。
     下記のリンク先をご覧ください。

    〇3月14日(金曜日):総括及び人件費、歳入、議会費

    https://twitter.com/kobayashi__masa/status/1900501758411260345

    〇3月17日(月曜日):総務費

    https://twitter.com/kobayashi__masa/status/1901592221025177679

    〇3月19日(水曜日):民生費、衛生費

    https://x.com/kobayashi__masa/status/1902322555752722482

    〇3月21日(金曜日):労働費・農業費・商工費、土木費、消防費

    https://x.com/kobayashi__masa/status/1903092289964216358

    〇3月24日(月曜日):教育費、公債費・諸支出金・予備費、3特別会計、水道事業会計

    https://x.com/kobayashi__masa/status/1904131784453083391

    以上、取り急ぎ、ご報告します。

    ―――――――――――――――――――――――――

    今朝は雨が降りましたが暖かくなり、桜が咲き始めましたね。
    3月30日は、「武蔵野桜まつり」が開催されます。
    ぜひ足をお運びいただき、楽しんでいただければと思います。
    私も11時過ぎには会場に行く予定としています。

    第33回武蔵野桜まつり|武蔵野市公式ホームページ

    乱筆、乱文ご容赦ください。
    引き続きよろしくお願いします

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 武蔵野市政ニュース~【朗報】記者会見開催!吉祥寺南病院の継承先は東京巨樹の会に!

    こんばんは!朗報です!


    本日は、懸案の吉祥寺南病院の事業継承先が
    東京巨樹の会
    に決定したということで、市役所において、12時半より記者会見が行われました。
    (ホームページはこちら→グループ一覧|カマチグループ 巨樹の会

    武蔵野市の近くでは、小金井リハビリテーション病院(〒184-0013東京都小金井市前原町1丁目3番2号)を経営されています。

    記者会見の概要を以下の通りお知らせします。

    ー---------------

    1.吉祥寺南病院の休診と継承問題

    (1)吉祥寺エリアを中心とした医療問題
     市内には、吉祥寺エリアでは吉祥寺南病院、中央エリアには陽和会、武蔵境エリアには赤十字病院がありましたが、下記表のとおり、松井病院、水口病院、森本病院の病床廃止等があり、また昨年9月に吉祥寺南病院が休診を決定し、吉祥寺エリアでは救急病床数が0になるということになりました。

     これは吉祥寺エリアでは当然大きな問題ですが、全市的にも影響がある医療問題となりました。

    image.png

    (2)休診になったことによる問題・影響

    そもそも吉祥寺南病院が休診となっていたことの主な問題は次の点が挙げられます。
     ①吉祥寺地域の二次救急医療機関、災害拠点連携病院がなくなる
     ②休日診療(1病院、2診療所)を行う病院が陽和会病院のみとなってしま

    (3)休診となった主な要因

    休診となった要因は以下の通りと認識しています。
    ・老朽化による建て替えが必要だが、建設費高騰がネックとなった
    ・コロナの影響もあり地区計画の変更を踏まえた建替え計画がとまった

    武蔵野市では、昨年9月に休診になるころから、小美濃市長を筆頭に市職員や関係者が事業継承先が見つかるように努めていました。
    このように事業継承先が決定したことは高く評価できます!

    なお、市民の中では、松下前市長が、もっと積極的にこの問題に取り組んでいれば、休診になることなく事業継承先が見つかったのではないかという声があります。

    2.記者会見概要

    (1)事業継承先は東京巨樹の会に決定
    記者会見が行われ、事業継承か東京巨樹の会に決定したとありました。
    記者会見の参加者は
    ・吉祥寺南病院(医療法人啓仁会)
    ・社会医療法人社団 東京巨樹の会
    ・小美濃安弘市長
    でした。

    (2)この記者会見での説明や質問は以下の通りとなっています。

    (注)できるだけ正確であるように心がけておりますが、不完全、不正確なこともあるかもしれないことをお含みおきください。

    《説明》

    ・小美濃市長
    地域医療を支えてきた病院が診療休止となり、二次救急、災害時医療において危機的状況となった。事業継承する東京巨樹の会が、早期に新たな病院ができるようできるだけの支援を行う。

    ・啓仁会:矢吹様
    診療を休止。地域、近隣の医療機関にご不便、心配をかけた。改めてお詫び。診療休止を決定してから、昨年6月。継承先を医療法人に限定して探索を行ってきた。承継することになり、小美濃市長にご報告した。吉祥寺地区の緊急、災害時医療に道筋がついた。

    ・東京巨樹の会:蒲池様
    災害時医療につよい要望があった。新病院を同じ土地に、災害時医療、救急医療、回復期リハビリテーション病棟を併設して地域の皆様に貢献したい。
    市民の皆様の声、行政、医師会と話をして良い病院を皆様と一緒に作っていきたい。

    (3)記者からのQ&A(Qが記者です。)
    Q小美濃市長へ:できるだけの支援というが、民間企業の経営をどのような形で支援していくのか?
    A.行政的な手続きが始まる。東京都の認可。円滑に手続きが進むようにしたい。規模は、今後の検討。用途制限のための、地区計画などの支援を行う。
    用途地域なども検討する。近隣の方々との対応、南町コミセンとの調整について支援。

    Q.小美濃市長へ:災害時の懸念。市民の声はどんなのだったのか?
    A.吉祥寺地域の救急病院が10年間で339病床数の減少があった。昨年の9月をもって地域の方々は大変心配していた。喜ばれることと思っている。

    Q.蒲池様へ:再開の時期は見えているのか?
    A各種手続きがある。どれくらいの時間に係るかによってかわってくる。武蔵野市としては、東京都に対して1日も早く手続きが進むようにお願いしていく。都市計画等の手続きも早く進める。具体的には、というのはいつくらいというのは言えない。
    可能な限り早急に進めていく。壊して建てるということなので、年単位はかかると思っている。

    Q小美濃市長へ:年単位ということだと今の問題は変わらない、ということについてどのような対応をするのか?
    A休日診療を医師会と協議をして、当番制を敷いてもらって、陽和会病院に当番を増やしてもらった、2次救急については、陽和会と赤十字にお願いしている。救急搬送先が減っているのは間違いないが、1日も早く打開したいと思う。

    Q矢吹様へ:継承先については、ここまでで9カ月経過した。長期間かかったのは?病院経営の問題なのか?理由と背景を知りたい
     A.エレベーターが止まったり、漏電があったり、一時は長く続けようとしていたが、老朽化の問題があり、大変なことになると考えて、踏み切った。
    物価等高等、建設費特に。ベッド数も希望されている。これに取り組んでくれる病院もすくなく、危機意識を持っていた。巨樹の会が入ってくれた。認可になるまで一心同体で努力していきたい。

    Q蒲池様へ:建て替えについて、診療再開、南町の高齢者の方から、高齢者が多いから、建替えだと5年かかるといっていた。現状のままで再開して、建替えしていくというのはどうなのか?
    A今の病院では診療再開は難しい。老朽化のため。

    Q蒲池様へ:建替えの時期と事業費はいくらとみているのか?
    A思案中。

    Q経済的なコストを考えていると思うが、建替えコストは巨樹の会でやるのか
    A現状は、市の財政的な援助は想定していない。

    Q病床など規模感は?
    A数やサイズはいえないが、確実に増えると思う。
    2000~3000台の救急病院を引き受けていた。
    救急とリンクした複数の診療科は必要。
    ベッドもできるだけ確保する。

    Q蒲池様へ:2次救急医療機関、前の病院の役割を果たしていくということでよいのか?
    Aそう考えている。

    Q小美濃市長へ:医療機関の経営が厳しいなか、財政支援はしないというが、財政支援を検討することがあるのか?市内の医療体制の維持のために、市として何かするのか?
    A具体的なものは何も決まっていない。行政手続きの支援はする。財政的なものは念頭にない。
    全市的に踏まえての体制については、重要な問題。老朽化した病院も多い。第二第三の廃院がおこらないように、今後考えていかなければならない重要課題と認識している。

    ー----------------

    現在、建設費高騰で、順天堂病院の移転中止、中野サンプラザの計画変更、小金井市庁舎の入札不調(応募がゼロ)という状況です。
    建設されて開院するまではどうなるかわからない状況ではありますが、前に進んだのは事実で、まずは一安心かと。
    ご尽力いただいた皆様には感謝申し上げます。

     以上、取り急ぎご報告いたします。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 武蔵野市政ニュース~一般質問の概要&武蔵野プレイスの未利用会議室の開放決定!

     こんにちは!

     本日は、2月28日に行いました令和7年第一回市議会定例会において行った
    ・一般質問の概要
    ・武蔵野プレイスの未利用会議室の開放決定!
    についてお知らせします。

    (*)一般質問とは、定例会での本会議において、議員が執行機関(自治体の長や委員会)に対して、行政全般(公共事務、団体委任事務、行政事務の一切を含む)について質問を行うことです。

     一般質問の概要についてですが、一般質問は

    1.武蔵野市の財政計画と行財政改革の必要性
    2.歯と口腔の健康づくりにおける条例制定
    3.駐輪場売却問題の問題検証と市民への説明
    4.武蔵野プレイスのギャラリー利用の厳格化
    5.将来人口推計の推定方法見直し

    について行いました。ご関心がある内容について下記をご覧ください。

     なお、1については、証券会社で証券アナリストをしていた経験を踏まえて、レポート形式で武蔵野市の状況を評価しました。
    ブログに掲載していますので、下記リンク先をご覧ください。

     ところで、概要以外に、一点お知らせしたいのが、これまで武蔵野プレイスの3階の会議室が未利用な状況を見て、
    ・「未利用ならば子どもたちの勉強場所として開放してほしい
    と市に要望していましたが、上記4に関連して、
    ・市から武蔵野プレイスの「未利用の会議室の開放」を実施!
    することになるという答弁があったことです。

     私自身、武蔵境駅近辺にて、プレイスや喫茶店等で資料作成等の作業をするのですが、空いている作業場所を見つけるのに苦労することがあります。

     市の対応により勉強場所を探す子どもたちの居場所が増えることは本当に良かったと思っています。

     住民福祉の向上に資する素晴らしい政策であり、このことについては、小美濃市長をはじめ、ご尽力いただいている市の関係者の皆様に心から御礼申し上げたいと思います

     これが成功事例になれば、語らいの道市民スペースや商工会議所でも同じような利用ができるように拡大していただけないかということを考えています。

    【一般質問の概要】

    1.武蔵野市の財政計画と行財政改革の必要性

     武蔵野市は豊かな自治体ですが、土屋市政より後の18年間では

    ①多額の税金が投入される街づくりが先送りされる一方で、市の豊かさは外部機関への委託費としての物件費に投入されるという形で高コスト化が進み、
    ②行財政改革は年々後退し
    ③さらに昨今の物価高騰や建設費高騰が市の財政を圧迫させる

    状況となりました。

     18年間に生み出された負の遺産が、今後の武蔵野市の財政を大きく圧迫させることになります。

     負の遺産が顕在化するタイミングで市長になった小美濃市長には、責任転嫁されることがないよう、市民に武蔵野市の財政状況の問題について「伝わる・伝える」を実行し、市民に分かる形での行財政改革を強力に進めていただきたいと要望しました。

    2.歯と口腔の健康づくりにおける条例制定

     歯周病が肺炎、糖尿病、心筋梗塞、早産・低体重 児出産と関係があると言われ、歯と口腔の健康が全身の健康を保持・増進させ、ひいては健康寿命の延伸を図る上で極めて重要な役割を果たすとされています。健康寿命の延伸により医療費削減効果も期待されます。

     武蔵野市では健康増進法に基づく健康増進計画が策定されていますが、市が令和7年度予算参考資料にも記載する「歯科疾患の早期発見・重症化予防を図り、歯周病や口腔衛生の正しい知識の啓発等を行う」ためにも、また、市民の健康寿命の延伸や医療費削減のためにも、「歯と口腔の健康づくり推進」について、より拘束力のある条例制定が必要だとして、条例制定について市の考えを伺う質問をしました。この条例は、東京都では千代田区、豊島区、渋谷区、杉並区、日野市が制定しており、多摩市でも令和7年4月1日から条例が施行されます。

     市の答弁としては、今後、他の自治体の状況等を踏まえて研究していくというものでした。

    3.駐輪場売却問題の問題検証と市民への説明

     駐輪場売却問題で住民訴訟が行われて、裁判が行われまていますが、裁判の結果と関係なく検証委員会を設置して、再発防止の観点からどのような問題があったのかについて検証して、裁判結果が出ると同時に公表することを要望しました。

     市の答弁としては、裁判の結果による、ということでした。

     しかし、私は裁判の結果は関係ないと考えています。総論が○でも各論で×というこのもあるかもしれません。総論が×でも、各論で〇というのがあるかしれません。

     その例が、市民周知をしたかどうかということです。市は十分に市民周知することなく売却しましたが、これは裁判の結果なく問題(☓)だと私は考えます。

     市は問題があったかどうかなど、各論について検証し検証結果を公表するという作業が必要だと考えて、市には改めて検証と検証悔過の公表を要望しています。

     地裁の通り、原告の請求が棄却されたから、市がしたことが何も問題なかったということにはならないと考えます。

     これまで、裁判にならなくても問題となったものはたくさんありますし、それはそれで検証して改善しているはずです。

     市が裁判の結果を受けてという点については、はいそうですね、といえるものではないと考えています。

    4.武蔵野プレイスのギャラリー利用の厳格化

     これまでも取り上げているのですが、プレイスのギャラリーを設計会社が模型や設計図の展示をしており、置いてあるチラシには、「相談無料」などの記載があります。

     受験前の大切な時期でもある1月早々、二週連続して週末に利用されているのを見ました。非常に残念な思いをしました。私は、これは営業目的の利用としか思えませんので、市にギャラリー利用の厳格化を求めました。

     市の答弁は、その設計会社にヒアリングするというものでした。

     やはり住民福祉の向上という観点からは、このような利用は制限するべきだと考えます。

     *ただし、上述したように、市長、市職員、プレイスの関係者の方々が、未利用の会議室を子どもたちに開放するように動いてくださっていることについては、高く評価するのと同時に感謝したいと思います。住民福祉の向上に資することのできる素晴らしい政策だと思います。

    5.将来人口推計の推定方法見直しについて

     令和4年度に公表した市の将来人口は右肩上がりに人口が増加するというものでしたが、直近では日本人人口が3年連続で減少しているように、推計値と実績に乖離が生じており、人口推計を令和7年度に見直すことになりました。

     問題があるので見直すことは良いのですが、見直すにも税金や職員の労働力というリソースが必要となります。

     同じ推計方法のまま、2度続けて修正となることは避けなくてはなりません。人口推計を見直す際に、推計方法自体も問題があるならば修正することを要望しました。

     市の答弁は、修正できるか検討するというような内容でした。

    小林まさよし

     


  • 武蔵野市の現状評価:ネガティブインプレッション!財政計画では18年の間で生み出された高コスト化や行財政改革の遅れが顕在化して市の財政負担が大きく増加!

     現状の武蔵野市について、証券アナリストの経験をもとに、レポート形式で評価しました。この内容については、令和7年2月28日に行われました一般質問の冒頭でお知らせしています。


    1. かつてリーディングシティと言われた武蔵野市だが、土屋市政より後の18年間は停滞した と多くの市民が評価、行財政改革への取り組みも大きく後退した

     武蔵野市の令和7年度予算の市民一人当たり市税は31.4万円である。近隣の自治体の20万円台前半程度と比較すると1.5倍に近い水準である。担税力のある市民に支えられて、武蔵野市は国内市町村では圧倒的に豊かな財政力を誇る。


     かつて、土屋市政においては、この豊かな財政を背景に、日本初のコミュニティバスであるムーバス、レモンキャブ、セカンドスクールなど、クリエイティブに市民サービスを提供し、かつてはリーディングシティと言われた。また、土屋市政では4000万円という高額退職金の是正に取り組んだほか、昭和58年に外部の有識者による行財政点検委員会を設置するなど、行財政改革に取り組み続けた。


     しかし、土屋市政より後の18年間は停滞したと評価する市民は多い。本来多額の税金を投入して進められるべきであった吉祥寺駅南口、三鷹駅北口の再整備、都営水道の一元化などの街づくりは先送りされ、一方で
    ・豊かな財政は、外郭団体などの外部機関への委託費としての物件費
    ・多くの公共施設の建設や再整備のために多額の税金が投入され
    高コスト化が大きく進んだ。

     特に物件費についてみると、令和7年度予算は230億円となり、平成17年度の物件費116億円と比較するとほぼ倍増することになる。高コスト化の証左の一つである。

     なお、平成18年に事務事業・補助金見直し委員会が設置されて以降、外部有識者による行財政改革員会は設置されていない。土屋市政より後の18年間において、年を追うごとに行財政改革への取り組みや意識が後退したことが、現状の市が事務事業数を把握していないという事態や後述する市民不参加の行財政改革の基本方針等を生み出すことになったと考えられる。

    2. 高コスト化が加速!物価高騰や建設費高騰を主因に財政負担が大きく増加!18年間に進んだ高コスト化がさらに今後の武蔵野市の財政を圧迫させる

     上述したように、土屋市政より後の18年間、物件費の倍増、投資的経費の増加、行財政改革の後退によって高コスト化が進んだ武蔵野市だが、昨今の物価高騰や建設費高騰が、今後の市の財政をさらに圧迫させる。

     具体的には、第6次長期計画調整計画(以下、「6長調」とします。)の5年間の財政計画の歳出額は年平均で788億円であったが、第6次長期計画第二次調整計画(以下、「6長2次調」とします。)では年平均が875億円になった。5年の年平均で87億円も増加したのは、一時的なものではなく、建設費の高騰などを要因とした構造的な変化によるものと考えられる。物件費、扶助費、投資的経費が20億円前後増加した。

     

     歳入においては、地価上昇や所得増に伴う市税の増加が年平均で39億円もあったが、この歳出をカバーするために、市債の発行残高と基金の取り崩しが増加する。市債の発行増は金利負担をもたらすことになるだろう。また、基金の取り崩しもこれまでよりも前倒しになると推察される。

     武蔵野市は18年間に生み出された高コスト化が今後財政を圧迫して、大きな問題になる可能性に強い危機感を持って対応する必要があろう。

    3. 市民参加をアクションプランの筆頭に置く第七次行財政改革における市民不参加という矛盾

     18年間で大きく後退した武蔵野市の行財政改革について、大きな懸念を持たざるを得ない。

     武蔵野市は「第七次武蔵野市行財政改革を推進するための基本方針及び武蔵野市行財政改革アクションプラン中間のまとめ」(以下、「第七次行財政改革」という)公表した。

     これまで策定された行財政改革の基本方針等について調べてみると、平成21年から24年までの第三次行財政改革までは事務事業の見直しを主要項目に置いており、重要視したのが確認される。しかし、平成25年から28年までの第4次行財政改革以降は、事務事業の見直しの項目のレベルが下がった。財政面での項目が減少するなど、いわゆる行財政改革からは大きく乖離し始めた。

     そして、第7次行財政改革であるが、

    • 行政報告のあった総務委員会では委員からわかりにくいなどという厳しい指摘があったほか
    • 令和6年12月23日実施の市民との意見交換会への議員以外の市民の参加者はゼロであり
    • 令和7年1月8日実施の意見交換会は議員関係者を除くと、市民は2名が参加、在勤が1名という状況だった
    • また、寄せられたパブリックコメントは私を除くと4件のみしか提出されなかった

    のである。14万8千人の市民のうち、この第七次行財政改革に参加した市民は議員以外では両手で数えられる程度ということになる。

     残念だが、第7次行財政改革は市民不参加のもの、市民から支持されたものではないと指摘せざるを得ない。

     また問題は、第七次行財政改革のアクションプランの筆頭に、「市民参加の在り方の追求」とある。うたっていることと、実態の食い違いが極めて大きい。武蔵野市はこれまで後退した行財政改革への取り組みがこの問題・状況を創り出したことに真摯に向き合い、市民不参加ではない市民が強い関心を持つ行財政改革を推進していく必要があろう。

    4. 武蔵野市の立て直しには行財政改革の強力な推進が必要である!

     小美濃市政となってこの一年間、吉祥寺南病院継承問題への取り組み、都営水道との統合、給食費無償化、家具転倒金具購入費補助事業など、市民目線の安全安心の街づくりが前に進められていることは評価するところである。

     しかし、上述したように、今後、18年間で生み出された負の遺産が大きく顕在化して市の財政を圧迫する可能性が極めて高いことは建設費高騰などから確認されている。

     一方、18年間先送りされた都営水道との統合、吉祥寺駅南口の再整備、三鷹駅北口の再整備など、多額の税金が必要となる大規模事業も前に進めなければならない。

     また、住民投票条例などイデオロギー最優先の市政運営が行われた松下市政においての行財政改革の遅れを取り戻さなくてはならない。

     小美濃市政においては、18年間の行財政改革の後退によって生じる財政問題についての責任が転嫁されることにならないよう

    • 18年間で行財政改革への取り組みが大きく後退したこと
    • 同じく18年間で高コスト化が進んできたこと
    • 資材高騰の影響を含めて公共施設の再整備に多額の税金を投入しなければならないこと
    • 先送りされてきた街づくりに多額の税金を投入する必要性があること

    など、武蔵野市の財政状況を市民に、「伝える・伝わる」を実行し、市民に理解してもらう必要があろう。

     また、市民が強い関心を持つ、市民参加型の「行財政改革の基本方針等」を策定すること、外部の有識者による行財政改革委員会を設置することなど、後退し続けた市の行財政改革を抜本的に見直すことが求められる。

     今後、武蔵野市について、中長期的な視点で評価するならば、その評価を左右する最大の要因の一つは、行財政改革を強く推し進めることができるかどうかである。


     施政方針の基本姿勢にて行財政改革に言及した小美濃市長が、これまで大きく後退した武蔵野市の行財政改革を最優先事項の一つとして前に進めていくことを強く期待したい。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 年末からのイベント等参加・活動の報告

    こんにちは!
    本日は、参加させていただきましたイベントなど、年末からの活動についてご報告させていただきます。

    1.年末~支援者の方々とのご挨拶
     年末は、杵築大社で、初詣に来られる方々にお神酒を配りながら迎えることとなりました。また、多くの支援者の方々とも新年のご挨拶をさせていただきました。
     多くの人が、武蔵野市における自民党の躍進を喜んでくださいました。

    2.元旦~徒歩による武蔵野七福神巡り
     元旦は、徒歩による武蔵野七福神巡りをしました。総距離は12キロとなりました。
     普段なら素通りしまうのですが、あらたな気づきがたくさんありました。

    3.1月8日~行財政改革の基本方針等に関するオンライン意見交換会参加
     この日は、行財政改革の基本方針等に関するオンライン意見交換会に参加しました。
     問題は、議員など関係者以外には、市民が2名、在勤が1名という参加状態であることでした。
     昨年12月23日の同テーマの意見交換会も議員2名以外の市民参加はありませんでした。 難しいのか、わかりにくいのか、日が悪いのか、情報発信がないことが問題なのか・・・
     これでは「伝える・伝わる」ができていなく、市民の支持のない行財政改革の基本方針等といわざるをえません。
     市の行財政改革のやり方、体制、情報発信等について、抜本的な見直しが必要ということなのではないでしょうか。少なくとも今のままで良いということではないと思います。

    4.1月12日~消防団の出初式等
     この日は、消防団の出初式と消防団の新年会に参加いたしました。日ごろから武蔵野市の安全と安心を支えてくださっている消防団の関係者の皆様には心から感謝申し上げます。

    5.1月13日~境南小のどんど焼きに参加
     1月13日には、境南小のどんど焼きに参加させてもらいました。
     晴天に恵まる中、関係者とわらや竹でやぐらを作り、門松やしめ飾りなどと一緒に燃やしました。
     無病息災、五穀豊穣、家内安全をお願いしました。

    6.1月18日~桜野小のどんど焼きに参加
     1月18日は、桜野小のどんど焼きに参加させていただきました。
     境南小同様、関係者の方とやぐらから組み立てて、正月飾りを燃やしました。この日は、風も強かったですが、その分、力強く燃えていました。

    7.1月19日~弓道新年射会
     1月19日は、武蔵野市の弓道連盟での新年射会に参加させていただきました。
     衆議院選挙後には稽古をしていないという状況で、稽古不足は否めなく、これまでになく悪い結果でした・・・
     市役所の隣の総合体育館で稽古できるのですが、今年は稽古の時間を増やせたらと考えています。

     これら以外にも、賀詞交歓会などに参加させていただいています。

     改めまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし


  • 武蔵野市政ニュース~『新たな五か年の財政計画②~さらに進む高コスト化を確認!行財政改革で抜本的な見直しを!』

    明けましておめでとうございます。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします。

    お正月はいかがお過ごしされたでしょうか?
    私は正月の年越しは杵築大社で迎え、元旦には徒歩で12キロ近く歩きながら『武蔵野七福神めぐり』をしました。

    本日は、先日の
    武蔵野市の新しい財政計画(第六期長期計画・第二次調整計画(以下、第二次調整計画))
    について第二弾をお知らせします。

    ー------------------

    【新しい財政計画から確認される問題点等②~さらに進む高コスト化!抜本的な見直しを!】

    2. 武蔵野市の豊かな財政状況とさらに進む高コスト化~三鷹市との比較
    (1)高コスト化にある武蔵野市~三鷹市との比較
     まず、武蔵野市の財政状況を確認するために、これまでもお知らせしていると思いますが、市民一人当たりの
    ・市税
    ・歳出額
    ・物件費
    ・公共施設の床面積
    の水準について、以下の通り、三鷹市と比較してみました。

    image.png

    下記で詳細をお知らせしますが、武蔵野市は豊かな自治体がゆえに、多額の税金を支出しており、
    昨今のインフレの影響を受けて更なる高コスト化が進むことは間違いがありません

    ①市民一人当たり市税(収入)・・・市民税(住民税)や固定資産税として市が得る税収
     担税力のある市民に支えられて、市民一人当たり市税は、武蔵野市が29.2万円(三鷹市対比+8.2万円)となり、三鷹市よりも1年間あたり120億円以上(≒14.8万人×(29.2万円-21.0万円)多くの市税収入を得ている。多摩26市においても圧倒的に大きな水準である。

    ②市民一人当たり歳出額(支出)・・・一般会計全体の歳出額であり、社会保障や公共事業などの通常の行政に係る費用
     上記①のような多額の市税収入に基づき、武蔵野市は一般会計の歳出額は751億円であり、市民一人当たり歳出額50.7万円となる。三鷹市の市民一人当たり歳出額は40.0万円である。武蔵野市は三鷹市よりも、1年間あたり150億円以上も多額の歳出を行っている

     (ご参考:歳出額の実績及び財政計画の推移)

    image.png

    *平成25年の歳出額は598億円であったが、令和10年は956億円と平成25年対比で1.5倍以上の支出となっている。
    **令和2年はコロナの影響で歳出額が増加した。

    ③市民一人当たり物件費(支出)・・・外郭団体などへの委託費が多くを占める。第二人件費ともいわれることもある。
     市民一人当たり物件費は、武蔵野市が12.1万円となり、三鷹市の7.2万円よりも1年間あたり70億円以上大きな水準で支出している。
     また、この物件費は平成25年度には132億円であったが、これまで右肩上がりに増加し続け、この財政計画の5年間においては220億円もの水準にまで増加するとされている。武蔵野市は外郭団体が14もあるが三鷹市の5、小金井市他の自治体よりも圧倒的に多く、多額の税金を投入している状態にある。
     最後に外部の有識者による事務事業の見直しが行われたのは平成18年(2006年)で、それ以来見直しが行われることなく、物件費は膨張し続けてしまうので、小美濃市政になってからこその抜本的な見直しが必要だと考えます。

     (ご参考:物件費の実績及び財政計画の推移) 

    *令和2~4年はコロナ関係での委託費が含まれている。令和6年以降の物件費の増加はインフレの影響を強く受けたものと考えられる。

    ④市民一人当たりの公共施設の床面積・・・今後老朽化した施設の再整備に係る費用の規模(相対的)を推測する

     武蔵野市は三鷹市の1.3倍もの公共施設の床面積を有しているが、昨今の資材高騰などの影響を大きく受ける状況にある。当然、公共施設等の再整備費用に、多額の税金を投入しなければならない。第6期長期調整計画では30年間で3600億円を見込んでいたが、現在は4500億円まで増加(30年間で+900億円、年平均+30億円)すると予想される。

     (ご参考:投資的経費の実績及び財政計画の推移) 

    *三鷹市と比較すると、同水準の人口レベルと仮定すると、これまでは平均して毎年20億円以上多くの税金を投入してきた。
    **過去10年の平均は75億円だが、令和6年から11年までの平均は150億円であり、学校施設改築の時期が重なったこともあるが倍増。これも資材高騰などの影響を強く受けている。

    (2)行財政改革等によるコスト削減と新たな公共サービス等への対応のイメージ

     下記に、「行財政改革等によるコスト削減と新たな公共サービス等への対応のイメージ」としてまとめてみましたが、武蔵野市で言えば、以下のような状態にあると考えられます。

    ・今後、都営水道との統合、吉祥寺駅南口再整備などの街づくり、新たな問題として闇バイトから市民を守るための施策、高齢化とともに進む社会保障費の増加、公共施設の再整備費用など、「③新たな公共サービス等」として多額の税金が必要となります

    ・今までは一定の財源の中で公共サービスを提供してきましたが、それでは財源が十分でなく、市債発行や基金の取り崩しで対応しようとしています。

    ・また、「③新たな公共サービス等」に対応しようとしたら職員への業務負担も増えると予想されますが、担い手は減少すると見込まれています。業務の効率化が必要です。

    ・財源のねん出や業務の効率化のためには、事務事業見直しや選択と集中などの「①従来の公共サービスの削減と効率化」により「①行財政改革による行政コスト削減」することが必要です。その結果、「③新たな公共サービス等」を行うための「②新たな公共サービスの原資」を生み出すことが可能となります。

    image.png

     

    ・上述したように、武蔵野市は三鷹市の市民一人当たり1.2倍以上の税金を投入して市政運営しているので、単純に言えば、三鷹市の市民一人当たり1.2倍以上の行政サービスを行っているということが考えられます。疑問に思うのは、すべてが効率的に運営されているのか?本当に必要な行政サービスなのか?ということです。

    ・市職員は、残業が多く労働環境が良くないという表現を耳にします。そうであるならば、必要性の低い事務事業数を統廃合して減らせばよいのではないでしょうか?今後、多くの人手や税金を投入する必要のある事業が控えています

    小美濃市政以前、武蔵野市は外部の有識者による事務事業の見直しを18年行っていません。また、現在の事務事業数を把握していないということです。これで十分な行財政改革が行われてきたと言えるのでしょうか?やはり、これまで18年間で変化した行政サービスにニーズに対応すべく、外部の有識者の方々によって事務事業の見直しを行うことは、必須だと考えます

    ・公共施設についても、これまで通り古くなった建物を立て直すというのではなく、他の自治体より多くの公共施設を保有していることを鑑みて、統廃合、複合化、長寿命化、広域化、延床面積の削減などを真剣に検討しなければならないと考えます。

    ・武蔵野市に外郭団体は14ありますが、三鷹市が5つであり、その数は他の自治体よりも圧倒的に多くなっています。それだけコストをかけているわけですが、本当に14も必要なのかについてもしっかりと考えていかなければならないと考えられます。

    先日お知らせした通り、この先、新しい財政計画から武蔵野市は

    という状況にあることが確認されています。

    小美濃市政以前、特に松下市政において、行財政改革に重点的に対応していたという認識は私にはありません。
    将来の武蔵野市に大きな負担を残さないようにするためには、危機感をもって、一日も早く、様々な観点から『行財政改革』に取り組むことだと思います。武蔵野市には、強力な行財政改革によって抜本的な行財政運営の見直しを実行することが必要だと考えます。

    (ご参考:更なる高コスト化の影響を受けた第6期長期調整計画の長期財政シミュレーションはどうなるのか!?)

    image.png

     *上記の図表は第6期長期調整計画で策定された30年間にわたる長期財政シミュレーションです。

     この時は、「①第ロ期長期計画調整計画の長期財政シミュレーション」にあるように、市債残高は401億円にとどまり、基金座高も117億円が残るというものでした。

     しかしながら、上述したように高コスト化が進んだため、②にある通り、基金残高が大きく減少していく結果として早期に枯渇し、市債発行残高は大幅に増加していくと推測するのが妥当な状況にあります。

    ー------------

    【行財政改革の計画に関する市民意見交換会のご案内】

    ところで、昨年12月23日に行財政改革に関する計画の市民意見交換会が行われましたが、市民の参加は0名でした。

    ぜひ、1月8日に行われるオンラインの行財政改革に関する意見交換会にご参加いただければと思います。

    ・日時:令和7年1月8日(水曜日) 午後7時から8時30分 オンライン(ZOOM)
    ・申込先:第七次行財政改革基本方針及びアクションプラン 意見交換会
    ・資料:中間のまとめとして作成された資料はneo7AP.pdfでご確認いただけます。

    また、この計画については以下の通り、パブリックコメントも募集されています。
    ・パブリックコメント締め切り:12月16日(月曜日)から令和7年1月15日(水曜日)
    ・提出先:意見提出フォーム(第七次行財政改革を推進するための基本方針及びアクションプラン 中間のまとめ 意見提出フォーム)・Eメール・郵送・ファクス・持参いずれかの方法

     この計画については、先日お知らせしたとおりですが、総務委員会で以下のような厳しい意見が指摘されていることをご参考までにお知らせします。
    (私も同意見です。)

     ・項目が多く総花的になっている
     ・財政的なメリットや目標値がない
     ・外部の第三者委員会をやっていくのか
     ・行財政改革というよりも行政評価的なものがみられるが、行財政改革と行政評価と両建てで進めるのはどうか
     ・目標数字がなく進捗度合いをはかれないのではないか

    ー-----------

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし

    *乱筆乱文ご容赦願います。


  • 武蔵野市政ニュース~『新たな五か年の財政計画~大幅な歳出増加と借金増加!』&行財政改革勉強会のご報告&年末のご挨拶

    こんばんは!

    いつも大変お世話になっております。武蔵野市議会議員の小林まさよしです。

    本日は、武蔵野市の新しい財政計画(第六期長期計画・第二次調整計画(以下、第二次調整計画))についての分析した内容をお知らせします。
    (今回は第一弾で、年明けに第二弾をお知らせします。)

    ー---------------------
    【新しい財政計画の問題点等①~大幅な歳出増加と借金増加】

    武蔵野市の財政規模は、令和6年度予算で815億円となっていますが、令和7年度~令和11年度の財政計画は以下のような問題点が確認されています。

    1.物価高騰を主因に大きく増加した歳出~1年前の財政計画対比で年平均(毎年)+約90億円、5カ年総額では+425億円!
     長期計画においては、五カ年の財政計画を作成しますが、

    • 現行の第六期長期計画・調整計画(以下、調整計画):令和6年度から令和10年度の五か年(下記グラフの左側)  
    • 現在、小美濃市長となったことにより策定されている第二次調整計画(案):令和7年度から令和11年度までの五か年(下記グラフの右側)


    が公表されています。右側の棒グラフの第二次調整計画は、左側の棒グラフの調整計画後の一年後に見直したものですが、次のような大きな変化が生じたことが確認されます。 

    image.png

    (ご参考)近隣自治体との一人当たり歳出額の比較
    ちなみに、武蔵野市の市民一人当たりの歳出額は50.1万円です。豊かな市税収入に支えらえれて、近隣自治体の1.25倍以上の税金を投入して運営されています



    (1)一般会計の予算規模が現行計画の年平均788億円から年平均875億円へと年平均(毎年)+約90億円の増加(五か年総額では425億円)! 

     調整計画でも一定の物価高騰の影響は織り込まれていたのですが、第二次調整計画はさらにインフレの影響が反映されて一般会計の予算規模は年平均で875億円となりました。 

    • これは1年前に公表した現行計画の年平均の支出額である788億円から約90億円(五か年総額で425億円)も増加するものであり 
    • また、令和5年度までの10年間の平均値の704億円からは、170億円以上も増加することになります。

     この約90億円や170億円以上という金額は予算規模800億円の武蔵野市で『年平均、つまり、毎年』増える支出の金額です。

     武蔵野市の歳出が大きく増加することは明らかであり、このことについては強い『問題意識』を持って対応しなければなりません。

    (2)歳出増加の要因はインフレの影響を受ける「物件費」や「投資的経費」など 

     歳出全体で、現行計画対比で毎年(年平均)で約90億円増加するということですが、どのような費用かというと主なものは

    • 外郭団体等を含めた外部機関への委託費を含める「物件費(現行計画対比+26億円(年平均))」 
    • 公共施設等の再整備に係る「投資的経費(現行計画対比+23億円(年平均))」
    • 福祉に係る費用としての「扶助費(現行計画対比+18億円(年平均))」 
    • 人件費(現行計画対比+6億円(年平均)

    となっています。

     上記からわかるように、「物件費」、「投資的経費」、「人件費」などは、明らかにインフレ等の影響によるものです。 皆様ご承知の通り、報道では、円安、人手不足などが継続する見通しからインフレは今後も継続するとされています。 そうなると、武蔵野市の財政的な負担は増加し続けるものだと考えられます。

     (3)インフレの影響で市税も増えるが、歳出増加の方が大きい 

     インフレの影響は一方的にネガティブではありません。歳入も増加しているのでその内容を見ると、
     ・個人所得の増加や固定資産税の評価替えなどがあり、年平均で見ると「市税」が現行計画対比で+39億円の増加
    となりました。
     しかし、その他で歳出の増加分である約90億円のすべてをカバーできるわけではありません。カバーしているのは、

    •  市のたくわえである「基金」の取り崩し(現行計画対比+14億円(年平均))
    •  市の借金である「市債」の発行(現行計画対比+14億円(年平均))

    となっています。また、問題は、
    令和5年度までの過去10年間では基金の「積立金」を年平均40億円程度行うという財政余力のある状況でしたが、 
    ・令和6年度以降は、様々歳出が増えたことにより、基金の「積立金」を計上する余力がなくなっていている状態
    にあることです。

     これから武蔵野市の財政運営は、第二次調整計画で

    となることが確認されています。

     また、税収でカバーできないところは、借金(市債発行)で賄うことになり、そうなると支払わなくてはならない金利も増加することも別途財政的負担が増加する要因となります。この傾向は加速することになると想定されます。

      たった1年違いの計画で
    ・歳出の大きな増加
    ・増加した歳出を埋め合わせるために更なる『基金の取り崩し』と『市債の発行』を増やすこと

    が確認されました。 

     私自身は、この歳出の増加を埋め合わせるためには、事業見直しなどによる業務の効率化を徹底的に進める行財政改革が必要だと考えます。

     このような状況に対して、
    市がどの程度行財政改革を進める意思を示すのか、そのプランを今後しっかりと確認していきたい
    と思います。

     いずれにせよ、市の関係者の方々には、強い『問題意識』と『危機感』をもってご対応することを強く要望していきます。

     また、この財政負担増の問題については、議会内外で情報発信の継続や超党派行財政改革勉強会での情報共有を行いながら、出来るだけ多くの市民の方に問題意識を持っていただくように、しっかりと周知してまいります

    ー-----------

    【行財政改革勉強会についてのご報告】

     市側に行財政改革の勉強会の一環として、市側が進めているDXについてどのようなことを考えて、進めようとしているのかをレクチャーしてほしいと相談したところ、小美濃市長が了承して下さったのか快諾の返事を頂きました。
     来年1月~2月にレクチャーをしてもらう予定となっています。

     また、本日、横浜市長時代に行財政改革を推し進めた中田宏参議院議員とお話しする機会があったのですが、勉強会の講師をしていただけたりするものか、ということを尋ねてみたところ、こちらも前向きな返事を頂きました。

     福田かおる衆議院議員からも、国が進めようとしている『デジタル行財政改革』について、必要に応じて国の関係者からのレクチャーなどサポートしてもらえるということにもなっています。

     しっかりと情報のインプットをして、皆様に情報発信(アウトプット)できるように活動してまいります。

    ー-----------

    【年末のご挨拶】

    本年も残り僅かとなりました。
    この一年間大変お世話になりました。

    昨年来、これは多くの方にご支援を頂いた結果、小美濃安弘市長、福田かおる衆議院議員、東まり子都議会議員と私共が推す候補者が当選することになりました。市政、都政、国政が連携して、山積する武蔵野市の課題に取り組むことができることは大きなメリットになると考えています。

    厳しい環境下での選挙戦を通じて、市民の方から『武蔵野市を立て直してほしい』などのような『強い期待』と『変革を求める声』をたくさんいただきましたことを強く実感しております。

    皆様のご期待に応えるためにも、議会内外から武蔵野を立て直し、市の発展・市民生活の向上に資する活動と山積する問題解決に取り組む所存です。

    どうぞ変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

    皆様のご健康とご多幸をお祈りし、
    穏やかなお年を迎えられますことをお祈り申し上げます。

    武蔵野市議会議員
    小林まさよし

    *乱筆乱文ご容赦願います。