武蔵野市政ニュース~『新たな五か年の財政計画②~さらに進む高コスト化を確認!行財政改革で抜本的な見直しを!』


明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

お正月はいかがお過ごしされたでしょうか?
私は正月の年越しは杵築大社で迎え、元旦には徒歩で12キロ近く歩きながら『武蔵野七福神めぐり』をしました。

本日は、先日の
武蔵野市の新しい財政計画(第六期長期計画・第二次調整計画(以下、第二次調整計画))
について第二弾をお知らせします。

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【新しい財政計画から確認される問題点等②~さらに進む高コスト化!抜本的な見直しを!】

2. 武蔵野市の豊かな財政状況とさらに進む高コスト化~三鷹市との比較
(1)高コスト化にある武蔵野市~三鷹市との比較
 まず、武蔵野市の財政状況を確認するために、これまでもお知らせしていると思いますが、市民一人当たりの
・市税
・歳出額
・物件費
・公共施設の床面積
の水準について、以下の通り、三鷹市と比較してみました。

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下記で詳細をお知らせしますが、武蔵野市は豊かな自治体がゆえに、多額の税金を支出しており、
昨今のインフレの影響を受けて更なる高コスト化が進むことは間違いがありません

①市民一人当たり市税(収入)・・・市民税(住民税)や固定資産税として市が得る税収
 担税力のある市民に支えられて、市民一人当たり市税は、武蔵野市が29.2万円(三鷹市対比+8.2万円)となり、三鷹市よりも1年間あたり120億円以上(≒14.8万人×(29.2万円-21.0万円)多くの市税収入を得ている。多摩26市においても圧倒的に大きな水準である。

②市民一人当たり歳出額(支出)・・・一般会計全体の歳出額であり、社会保障や公共事業などの通常の行政に係る費用
 上記①のような多額の市税収入に基づき、武蔵野市は一般会計の歳出額は751億円であり、市民一人当たり歳出額50.7万円となる。三鷹市の市民一人当たり歳出額は40.0万円である。武蔵野市は三鷹市よりも、1年間あたり150億円以上も多額の歳出を行っている

 (ご参考:歳出額の実績及び財政計画の推移)

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*平成25年の歳出額は598億円であったが、令和10年は956億円と平成25年対比で1.5倍以上の支出となっている。
**令和2年はコロナの影響で歳出額が増加した。

③市民一人当たり物件費(支出)・・・外郭団体などへの委託費が多くを占める。第二人件費ともいわれることもある。
 市民一人当たり物件費は、武蔵野市が12.1万円となり、三鷹市の7.2万円よりも1年間あたり70億円以上大きな水準で支出している。
 また、この物件費は平成25年度には132億円であったが、これまで右肩上がりに増加し続け、この財政計画の5年間においては220億円もの水準にまで増加するとされている。武蔵野市は外郭団体が14もあるが三鷹市の5、小金井市他の自治体よりも圧倒的に多く、多額の税金を投入している状態にある。
 最後に外部の有識者による事務事業の見直しが行われたのは平成18年(2006年)で、それ以来見直しが行われることなく、物件費は膨張し続けてしまうので、小美濃市政になってからこその抜本的な見直しが必要だと考えます。

 (ご参考:物件費の実績及び財政計画の推移) 

*令和2~4年はコロナ関係での委託費が含まれている。令和6年以降の物件費の増加はインフレの影響を強く受けたものと考えられる。

④市民一人当たりの公共施設の床面積・・・今後老朽化した施設の再整備に係る費用の規模(相対的)を推測する

 武蔵野市は三鷹市の1.3倍もの公共施設の床面積を有しているが、昨今の資材高騰などの影響を大きく受ける状況にある。当然、公共施設等の再整備費用に、多額の税金を投入しなければならない。第6期長期調整計画では30年間で3600億円を見込んでいたが、現在は4500億円まで増加(30年間で+900億円、年平均+30億円)すると予想される。

 (ご参考:投資的経費の実績及び財政計画の推移) 

*三鷹市と比較すると、同水準の人口レベルと仮定すると、これまでは平均して毎年20億円以上多くの税金を投入してきた。
**過去10年の平均は75億円だが、令和6年から11年までの平均は150億円であり、学校施設改築の時期が重なったこともあるが倍増。これも資材高騰などの影響を強く受けている。

(2)行財政改革等によるコスト削減と新たな公共サービス等への対応のイメージ

 下記に、「行財政改革等によるコスト削減と新たな公共サービス等への対応のイメージ」としてまとめてみましたが、武蔵野市で言えば、以下のような状態にあると考えられます。

・今後、都営水道との統合、吉祥寺駅南口再整備などの街づくり、新たな問題として闇バイトから市民を守るための施策、高齢化とともに進む社会保障費の増加、公共施設の再整備費用など、「③新たな公共サービス等」として多額の税金が必要となります

・今までは一定の財源の中で公共サービスを提供してきましたが、それでは財源が十分でなく、市債発行や基金の取り崩しで対応しようとしています。

・また、「③新たな公共サービス等」に対応しようとしたら職員への業務負担も増えると予想されますが、担い手は減少すると見込まれています。業務の効率化が必要です。

・財源のねん出や業務の効率化のためには、事務事業見直しや選択と集中などの「①従来の公共サービスの削減と効率化」により「①行財政改革による行政コスト削減」することが必要です。その結果、「③新たな公共サービス等」を行うための「②新たな公共サービスの原資」を生み出すことが可能となります。

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・上述したように、武蔵野市は三鷹市の市民一人当たり1.2倍以上の税金を投入して市政運営しているので、単純に言えば、三鷹市の市民一人当たり1.2倍以上の行政サービスを行っているということが考えられます。疑問に思うのは、すべてが効率的に運営されているのか?本当に必要な行政サービスなのか?ということです。

・市職員は、残業が多く労働環境が良くないという表現を耳にします。そうであるならば、必要性の低い事務事業数を統廃合して減らせばよいのではないでしょうか?今後、多くの人手や税金を投入する必要のある事業が控えています

小美濃市政以前、武蔵野市は外部の有識者による事務事業の見直しを18年行っていません。また、現在の事務事業数を把握していないということです。これで十分な行財政改革が行われてきたと言えるのでしょうか?やはり、これまで18年間で変化した行政サービスにニーズに対応すべく、外部の有識者の方々によって事務事業の見直しを行うことは、必須だと考えます

・公共施設についても、これまで通り古くなった建物を立て直すというのではなく、他の自治体より多くの公共施設を保有していることを鑑みて、統廃合、複合化、長寿命化、広域化、延床面積の削減などを真剣に検討しなければならないと考えます。

・武蔵野市に外郭団体は14ありますが、三鷹市が5つであり、その数は他の自治体よりも圧倒的に多くなっています。それだけコストをかけているわけですが、本当に14も必要なのかについてもしっかりと考えていかなければならないと考えられます。

先日お知らせした通り、この先、新しい財政計画から武蔵野市は

という状況にあることが確認されています。

小美濃市政以前、特に松下市政において、行財政改革に重点的に対応していたという認識は私にはありません。
将来の武蔵野市に大きな負担を残さないようにするためには、危機感をもって、一日も早く、様々な観点から『行財政改革』に取り組むことだと思います。武蔵野市には、強力な行財政改革によって抜本的な行財政運営の見直しを実行することが必要だと考えます。

(ご参考:更なる高コスト化の影響を受けた第6期長期調整計画の長期財政シミュレーションはどうなるのか!?)

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 *上記の図表は第6期長期調整計画で策定された30年間にわたる長期財政シミュレーションです。

 この時は、「①第ロ期長期計画調整計画の長期財政シミュレーション」にあるように、市債残高は401億円にとどまり、基金座高も117億円が残るというものでした。

 しかしながら、上述したように高コスト化が進んだため、②にある通り、基金残高が大きく減少していく結果として早期に枯渇し、市債発行残高は大幅に増加していくと推測するのが妥当な状況にあります。

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【行財政改革の計画に関する市民意見交換会のご案内】

ところで、昨年12月23日に行財政改革に関する計画の市民意見交換会が行われましたが、市民の参加は0名でした。

ぜひ、1月8日に行われるオンラインの行財政改革に関する意見交換会にご参加いただければと思います。

・日時:令和7年1月8日(水曜日) 午後7時から8時30分 オンライン(ZOOM)
・申込先:第七次行財政改革基本方針及びアクションプラン 意見交換会
・資料:中間のまとめとして作成された資料はneo7AP.pdfでご確認いただけます。

また、この計画については以下の通り、パブリックコメントも募集されています。
・パブリックコメント締め切り:12月16日(月曜日)から令和7年1月15日(水曜日)
・提出先:意見提出フォーム(第七次行財政改革を推進するための基本方針及びアクションプラン 中間のまとめ 意見提出フォーム)・Eメール・郵送・ファクス・持参いずれかの方法

 この計画については、先日お知らせしたとおりですが、総務委員会で以下のような厳しい意見が指摘されていることをご参考までにお知らせします。
(私も同意見です。)

 ・項目が多く総花的になっている
 ・財政的なメリットや目標値がない
 ・外部の第三者委員会をやっていくのか
 ・行財政改革というよりも行政評価的なものがみられるが、行財政改革と行政評価と両建てで進めるのはどうか
 ・目標数字がなく進捗度合いをはかれないのではないか

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武蔵野市議会議員
小林まさよし

*乱筆乱文ご容赦願います。