こんばんは!
いつも大変お世話になっております。武蔵野市議会議員の小林まさよしです。
本日は、武蔵野市の新しい財政計画(第六期長期計画・第二次調整計画(以下、第二次調整計画))についての分析した内容をお知らせします。
(今回は第一弾で、年明けに第二弾をお知らせします。)
ー---------------------
【新しい財政計画の問題点等①~大幅な歳出増加と借金増加】
武蔵野市の財政規模は、令和6年度予算で815億円となっていますが、令和7年度~令和11年度の財政計画は以下のような問題点が確認されています。
1.物価高騰を主因に大きく増加した歳出~1年前の財政計画対比で年平均(毎年)+約90億円、5カ年総額では+425億円!
長期計画においては、五カ年の財政計画を作成しますが、
- 現行の第六期長期計画・調整計画(以下、調整計画):令和6年度から令和10年度の五か年(下記グラフの左側)
- 現在、小美濃市長となったことにより策定されている第二次調整計画(案):令和7年度から令和11年度までの五か年(下記グラフの右側)
が公表されています。右側の棒グラフの第二次調整計画は、左側の棒グラフの調整計画後の一年後に見直したものですが、次のような大きな変化が生じたことが確認されます。
(ご参考)近隣自治体との一人当たり歳出額の比較
ちなみに、武蔵野市の市民一人当たりの歳出額は50.1万円です。豊かな市税収入に支えらえれて、近隣自治体の1.25倍以上の税金を投入して運営されています
高コストの状況にあり、インフレの影響を他の自治体より大きく受ける財務特性を持っています。
(1)一般会計の予算規模が現行計画の年平均788億円から年平均875億円へと年平均(毎年)+約90億円の増加(五か年総額では425億円)!
調整計画でも一定の物価高騰の影響は織り込まれていたのですが、第二次調整計画はさらにインフレの影響が反映されて一般会計の予算規模は年平均で875億円となりました。
- これは1年前に公表した現行計画の年平均の支出額である788億円から約90億円(五か年総額で425億円)も増加するものであり
- また、令和5年度までの10年間の平均値の704億円からは、170億円以上も増加することになります。
この約90億円や170億円以上という金額は予算規模800億円の武蔵野市で『年平均、つまり、毎年』増える支出の金額です。
武蔵野市の歳出が大きく増加することは明らかであり、このことについては強い『問題意識』を持って対応しなければなりません。
(2)歳出増加の要因はインフレの影響を受ける「物件費」や「投資的経費」など
歳出全体で、現行計画対比で毎年(年平均)で約90億円増加するということですが、どのような費用かというと主なものは
- 外郭団体等を含めた外部機関への委託費を含める「物件費(現行計画対比+26億円(年平均))」
- 公共施設等の再整備に係る「投資的経費(現行計画対比+23億円(年平均))」
- 福祉に係る費用としての「扶助費(現行計画対比+18億円(年平均))」
- 「人件費(現行計画対比+6億円(年平均)
となっています。
上記からわかるように、「物件費」、「投資的経費」、「人件費」などは、明らかにインフレ等の影響によるものです。 皆様ご承知の通り、報道では、円安、人手不足などが継続する見通しからインフレは今後も継続するとされています。 そうなると、武蔵野市の財政的な負担は増加し続けるものだと考えられます。
(3)インフレの影響で市税も増えるが、歳出増加の方が大きい
インフレの影響は一方的にネガティブではありません。歳入も増加しているのでその内容を見ると、
・個人所得の増加や固定資産税の評価替えなどがあり、年平均で見ると「市税」が現行計画対比で+39億円の増加
となりました。
しかし、その他で歳出の増加分である約90億円のすべてをカバーできるわけではありません。カバーしているのは、
- 市のたくわえである「基金」の取り崩し(現行計画対比+14億円(年平均))
- 市の借金である「市債」の発行(現行計画対比+14億円(年平均))
となっています。また、問題は、
・令和5年度までの過去10年間では基金の「積立金」を年平均40億円程度行うという財政余力のある状況でしたが、
・令和6年度以降は、様々歳出が増えたことにより、基金の「積立金」を計上する余力がなくなっていている状態
にあることです。
これから武蔵野市の財政運営は、第二次調整計画で
・貯えをする余力がなく(基金を積み立てられない)
・貯えを取り崩し(基金を取り崩す)
・借金を増やす(市債を発行する)
となることが確認されています。
また、税収でカバーできないところは、借金(市債発行)で賄うことになり、そうなると支払わなくてはならない金利も増加することも別途財政的負担が増加する要因となります。この傾向は加速することになると想定されます。
たった1年違いの計画で
・歳出の大きな増加
・増加した歳出を埋め合わせるために更なる『基金の取り崩し』と『市債の発行』を増やすこと
が確認されました。
私自身は、この歳出の増加を埋め合わせるためには、事業見直しなどによる業務の効率化を徹底的に進める行財政改革が必要だと考えます。
このような状況に対して、
市がどの程度行財政改革を進める意思を示すのか、そのプランを今後しっかりと確認していきたい
と思います。
いずれにせよ、市の関係者の方々には、強い『問題意識』と『危機感』をもってご対応することを強く要望していきます。
また、この財政負担増の問題については、議会内外で情報発信の継続や超党派行財政改革勉強会での情報共有を行いながら、出来るだけ多くの市民の方に問題意識を持っていただくように、しっかりと周知してまいります。
ー-----------
【行財政改革勉強会についてのご報告】
市側に行財政改革の勉強会の一環として、市側が進めているDXについてどのようなことを考えて、進めようとしているのかをレクチャーしてほしいと相談したところ、小美濃市長が了承して下さったのか快諾の返事を頂きました。
来年1月~2月にレクチャーをしてもらう予定となっています。
また、本日、横浜市長時代に行財政改革を推し進めた中田宏参議院議員とお話しする機会があったのですが、勉強会の講師をしていただけたりするものか、ということを尋ねてみたところ、こちらも前向きな返事を頂きました。
福田かおる衆議院議員からも、国が進めようとしている『デジタル行財政改革』について、必要に応じて国の関係者からのレクチャーなどサポートしてもらえるということにもなっています。
しっかりと情報のインプットをして、皆様に情報発信(アウトプット)できるように活動してまいります。
ー-----------
【年末のご挨拶】
本年も残り僅かとなりました。
この一年間大変お世話になりました。
昨年来、これは多くの方にご支援を頂いた結果、小美濃安弘市長、福田かおる衆議院議員、東まり子都議会議員と私共が推す候補者が当選することになりました。市政、都政、国政が連携して、山積する武蔵野市の課題に取り組むことができることは大きなメリットになると考えています。
厳しい環境下での選挙戦を通じて、市民の方から『武蔵野市を立て直してほしい』などのような『強い期待』と『変革を求める声』をたくさんいただきましたことを強く実感しております。
皆様のご期待に応えるためにも、議会内外から武蔵野を立て直し、市の発展・市民生活の向上に資する活動と山積する問題解決に取り組む所存です。
どうぞ変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸をお祈りし、
穏やかなお年を迎えられますことをお祈り申し上げます。
武蔵野市議会議員
小林まさよし
*乱筆乱文ご容赦願います。